東京大学大学院数理科学研究科

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数理談話会

日時: 2023年3月13日(月) 16:00-17:00
会場: ハイブリッド号室(大学院数理科学研究科 大講義室+zoom)

講演者

斎藤 秀司 氏(東京大学大学院数理科学研究科)


講演題目

高次元類体論から新たなモチーフ理論まで (ENGLISH)



講演概要

私の最初の研究は加藤和也先生と共同で行った「高次元類体論」です。もう40年も前のことです。古典的な類体論はフェルマーとガウスの偉業を源とし20世紀前半に高木貞治とEmil Artinにより完成された整数論の礎で,有限次代数体(有理数体の有限次拡大)の最大アーベル拡大のガロア群を,その体に内在的な情報(例えばイデアル類群)のみを用いて統制する理論です。類体論の高次元化とはこの理論を,有限生成体 (有理数体あるいは有限体上高い超越次数を持つ関数体)の場合へ拡張する理論です。これはスキーム論を用いて数論幾何学的問題として定式化されます。

この講演では、まず大学生でもわかる類体論の復習から始め、高次元類体論がどのように定式化されるかを専門外の方にもわかりやすく説明します。さらに2016年にKerz氏と共同で行った加藤-斎藤の高次元類体論の改良に簡単に触れ、それに触発されて最近進展している新たなモチーフ理論の一端に触れます。特にこれまでモチーフ理論とは全く交流がなかった分岐理論(斎藤毅先生が世界的なリーダー)との関係について述べます。


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