東京大学大学院数理科学研究科

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数理談話会

日時: 2020年11月20日(金) 15:30-16:30
会場:オンライン開催

講演者

伊山 修 氏 (東京大学大学院数理科学研究科)


講演題目

傾理論とその仲間たち (JAPANESE)


講演スライド資料(pdf)

講演概要

箙(有向グラフ)の表現には鏡映関手と呼ばれる、向き付けの異なる箙の表現を結びつける操作がある。これはルート系の鏡映を圏化するもので、導来圏同値のもっとも基本的な例を与える。箙は大域次元が1の環で、大域次元が0の半単純環の次に位置するものだが、一般の環に対して鏡映関手に相当するものを考えると、傾加群・傾複体(tilting complex)の概念が得られる。これらに関しては前世紀から多くの研究がなされているが、今世紀に入り、傾複体よりも広い準傾複体(silting complex)の重要性が明らかとなった。例えば異なる準傾複体を結びつける変異(mutation)操作が可能となり、また代数的t構造などとの一対一対応が与えられる。講演ではこのような一般論を、箙や前射影代数(preprojective algebra)などの例を通して説明したい。


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