東京大学大学院数理科学研究科

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数理談話会

日時: 2009年1月8日(金) 16:30〜17:30
会場: 東京大学 大学院数理科学研究科 002号室

講演者

大島 利雄 氏 (東京大学大学院数理科学研究科)


講演題目

特殊関数とFuchs型常微分方程式



講演概要

岩波全書の数学公式集III「特殊関数」の大部分はGaussの超幾何関数とその特殊化のBessel関数やLegendre多項式などで占められている。この超幾何関数についての最も重要な基本結果は1での値を与えるGaussの和公式とRiemann schemeによる特徴付けとであろう。この関数は一般超幾何関数やJordan-Pochhammer方程式へ、またHeun方程式から Painleve方程式へという解析、さらにAppell,Gelfand-青本,Heckman-Opdamによる多変数化という3つの方向の発展がある。講演ではこれらを含む統一的な理解、Riemann schemeの一般化とuniversal modelの存在定理(Deligne-Katz-Simpson問題)、接続公式(Gaussの和公式の一般化)、無限次元Kac-Moody Weyl群の作用について解説し、特異点の合流、積分表示、ベキ級数表示などについても述べたい。結果は構成的 でコンピュータ・プログラムで実現できる。