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日時: 2024年4月26日(金) 15:30-16:30
会場: 数理科学研究科棟(駒場) 大講義室
本多 正平 氏(東京大学 大学院数理科学研究科)
リーマン多様体とその極限 (JAPANESE)
リーマン多様体全体にグロモフ・ハウスドルフ距離を使って位相を入れると,リーマン多様体を人とする町Aができる.その町Aの中で「リッチ曲率のコントロールが効いた人」からなる村Bを考える.講演者はこの村Bに興味がある.この村Bはグロモフ・ハウスドルフ距離に関してコンパクト化可能であることがグロモフによって示されていた.よってコンパクト化してしまいたくなるのでそうすることにして,それをCと書く.その境界C\Bは町Aをはみ出している.よってそこに現れるのはもはや人(=リーマン多様体)ではない.例えば整数次元でないものが現れたり,特異点が稠密だったり,空でないどんな開集合の2次のベッチ数が無限大になったりすることがある.それがどれだけワイルドか,ワイルドでもどれくらいのことがわかるのかと思って調べると,なぜか村B全体のことがよくわかるようになってくる.このような流れの研究を多様体の収束・崩壊理論とよび,しばしばリーマン多様体の社会学と呼ばれることもある.本講演ではさまざまな分野と深い関わりを持つこの分野の最新状況について紹介する.