線型代数学」(東京大学出版会,足助太郎著)に関する補足事項

最終更新日時:2023/11/14 22:30頃

正誤表

2023/11/14版PDF
修正の少なくない箇所について,読者からの指摘により判明したものです. この場を借りて感謝申し上げます.
一方,諸事情を勘案してご指摘いただいた方,経緯は述べません.
訂正を要する箇所が判明する頻度は大分下がってきましたが,誤りはまだ潜んでいると思われます.
お気づきの際にはご指摘下されば幸いです.引続きよろしくお願いいたします.

ここに記載した点に関しては機会があれば紙幅の許す限り修正します.
なお,いくつかの誤りは読者にご指摘いただきました. この場を借りてお礼申し上げます.

正誤表そのものに関する修正については角括弧([])で括ってあります.

2012/9/24 不本意ながら修正がそれなりの分量になってしまったのと,htmlでの記述に限界があるのでPDF版のみでの公開とします.
htmlで記述してある最終版 (2012/9/22)を参考のために置いておきます(古いリンクは切ってあります).
2012/10/21 92頁から94頁の記述を少し整理しました.
2013/1/26 直交補空間に関する記述を少しだけ加えました(第6章). また,二次形式などが不定値であることの定義を述べることにして,関連する記述を少し加えました(第7章).
2013/2/21 40, 41頁に誤植を見つけたので直しました.
2013/4/28 289頁に誤植を見つけたので直しました.
2013/7/20 23頁にやや不親切な記述を見つけたのと,28頁にまだ証明していない事実に言及している点があった(誤りではありません)ので修正しました.
2013/8/25 303頁に誤植を見つけたので直しました.また,「よくある・・・質問」に関して加筆しました.
2014/7/25 東大出版会の書籍紹介ページからリンクを張りました.
2014/8/1 [見やすくなることを期待して改行を増やしました.また,幾つか組版的におかしかったところを修正しました.] 内容自体は2013/8/25版と変わりません.
2015/8/12 一箇所誤植を直しました.指摘されなくとも読めば気づくと思われますが,誤りは誤りです.
2015/10/10 64頁,補題 2.3.8について,記述がやや不親切だったので補題を補いました.
2015/10/19 155頁,定義 4.4.1について,誤りを訂正しました. [また,一部書体(フォント)がおかしかったので直して修正版としました.]
久々に眺めていたら組版上の誤りがあった(数学的には気にならない点です)ので直して再修正版としました.
2016/12/20 330頁,単位環において 1≠0とする理由は無いので記述を改めました.
2017/2/11 108-109頁,命題 3.6.5に関して誤植があったので修正しました.

よくある・あまりない質問とそれに対する回答 [2022/10/9]

Q : 行ベクトルや列ベクトルのサイズを「n次元」でなく「n次」と呼んでいるのはなぜか? [2012/4/4]
A : 「次元」という用語はよく用いられますので,素直に「次元」とした方が良かったかもしれませんが,以下のような理由で「次」としました. 一つには第3章以降で扱う線型空間の次元の「次元」との混乱を避けるためです. もう一つは,行列はあくまで数の並び,と考えているので「次元」という呼称はそぐわないと考えました. なお,本書では行列やベクトルを「K^nの元」「(m×n)行列」「M_{m,n}(K)の元」と呼ぶことが多く,「n次」という表現はあまり用いていません. これは迂闊だったのですが,「n次」多項式の「次」と混乱しないように注意して下さい. [2012/4/4]([2012/4/8]修正)

Q : 余因子行列(66頁,定義 2.3.14)の定義が正しくない(転置をとらないのが正しい)のではないか? [2012/6/18]
A : 和訳の問題が絡むので,まず訳語を用いないで説明します. (i,j)成分が (j,i)余因子であるような行列を adjugate matrix,(i,j)成分が (i,j)余因子であるような行列を cofactor matrixと呼びます. adjugate matrixは adjoint matrixとも呼ばれますが,随伴行列(定義 5.2.1)と紛らわしいので避けることが多いようです. 本書では「余因子行列」で adjugate matrixを指しています(357頁(索引)も参照のこと). 一方,「余因子」は英語では cofactorなので,「余因子行列」を直訳すると cofactor matrixとなります. その意味では指摘はごもっともです. しかし,調べた範囲では日本語の「余因子行列」は adjugate matrixを指すので,本書でもこれに従いました. 直訳とはずれがありますので,英語の文献を読み書きする際には注意が必要です. [2012/6/18](同日一部修正)

Q:二次曲線等についてあそこまで書いておいて主軸変換については書かないのですか? [2013/8/25]
A:改版の機会があって,かつ紙幅が許せば書きます.

Q:いわゆる実Jordan標準形については書かないのですか? [2013/8/25]
A:節を設けるだけの紙幅は考えにくいので,改版の機会があって,かつ紙幅が許せば演習問題を設けたいと考えています.

英語について

英語に関しては出版時点で可能な限り正確を期しましたが,絶対に誤りや不適切な点がないとは言い切れません. 著者の英語の能力に因るところ大ですが,日本語の場合でもそうであるように,用語には揺れやぶれがあることにも因ります. お気をつけ下さい.

サラスの生没年について

執筆当時には,ある大学(きちんとしているとされる大学です)のオンライン図書館の文献を参照していたのですが,いつの間にかなくなってしまいました. 執筆時の根拠がなくなってしまったので,サラスについてはひとまず生没年不詳(あるいは「~という説がある」)とします. Wikipediaには記述があるのですが,独立している根拠を見つけておらず,入門書に記すのには憚られます. 改版の機会があれば出版されているものについても修正します. サラスの生没年については調べるのが難しく,明るい方にご教示いただければ幸いです. お礼は出せませんが,よろしくお願いいたします.[2022/10/9]

(著作権に関する表示)
この文書は足助太郎が著作権を保持しています.


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更新履歴
2023/10/27 22:50頃,正誤表更新
2023/9/25 15:10頃,正誤表へのリンクがおかしかったので修正
2023/9/11 11:40頃,出版社へのリンクの張り替え
2022/10/9 17:40頃,サラスの生没年について