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\centerline{2003年度全学自由研究ゼミナールの内容について}
\medskip
\rightline{2003年4月9日}
\rightline{河東泰之(かわひがしやすゆき)}
\rightline{数理科学研究科棟323号室(電話 5465-7078)}
\rightline{e-mail yasuyuki\@ms.u-tokyo.ac.jp}
\rightline{{\tt https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/\~{}yasuyuki/}}
\bigskip

このゼミナールは,教養課程の1, 2年生を対象にした自由選択のコースです.
毎週水曜日の5限,16:20〜17:50に,数理科学研究棟056号室で行います.
内容は下記の本についての英語による輪講です.

{\obeylines
題名: Euler: The Master Of Us All
著者: William Dunham
出版社: Mathematical Association of America
シリーズ: Dolciani Mathematical Expositions No\. 22
出版年: 1999
ISBN: 0-88385-328-0}

出版元による紹介が http://www.maa.org/pubs/books/dol22.html にあります.
生協にも頼んでありますが,http://www.amazon.co.jp などでも買えます.
amazon では3,184円とのことです.

この本は18世紀の数学者 Euler の業績について解説したものです. 
8章からなり,各章の内容は独立です.最初の一回は私が3章の
内容について英語で講義します.二回目からは毎回一人または二人の学生に,
好きな章の内容を英語で発表してもらいます.本のとおりにやってもよいし,
関連した内容について自分で調べたり考えたりしたことを発表してもかまいません. 
数学的内容はだいたい教養1年生程度ですがいろいろ自分で考えることが
必要でしょう.また,Euler がどのような方法
でさまざまな結果に到達したかを解説しているので,現代数学の立場からは厳密で
ない論法がたくさん出てきます.聞いている人が本を持っていなくても数学的な
内容が理解できるように,自分なりにまとめて発表してください.厳密でない
論法を用いる場合は,どこがどのように厳密でないのかはっきりさせてください.
また,本,ノート,メモなど何も見ないで発表することを原則にしたいと
思いますが,無理には強制しません.英語は特に高度なことはないはずですが,
歴史的な解説なども多いので,大学院レベルの抽象的な数学書よりはむしろ
難しいところもあるでしょう.ただ,一般に数学書の英語は簡単で,新しい術語は
文中で定義されるので,対応する日本語を知らなくても読めます.だから特別な
辞書など使わなくても大丈夫だと思いますが,特に数学用語を調べたい場合には,
「岩波数学辞典第3版」(岩波書店)の欧文索引が使えるでしょう.これは
この建物(数理科学研究棟)の数理図書室においてあります.
またどうしても英和辞典を使いたい場合,
一般の英和辞典にはあまり数学用語は出ていませんが,中では,
小学館ランダムハウス英和大辞典が一番よく出ていると思います.

単位をとるための必要十分条件は,一回(以上)発表することです.
人数の制限がついているのは単に,発表の時間が限られているからです.
発表しない人が聞いているのは別にかまいません.

私の海外出張のため,5/14, 6/25, 7/2 の3回が休講になる予定ですが,
6/25 については多少未確定の部分があります.正確なことは授業中に
連絡します.またこれらについては補講期間中に補講を行う予定です.

\bye