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\centerline{数学IVの内容について}
\medskip
\rightline{1995年10月}
\rightline{河東泰之(かわひがしやすゆき)}
\rightline{数理科学研究科棟310号室(電話 5465-7024)}
\rightline{e-mail yasuyuki\@tansei.cc.u-tokyo.ac.jp}
\bigskip

この授業では,2次,3次の行列の固有値,固有ベクトル,
対角化について教えます.ほぼ,以下の順序で進む予定です.

(0) Introduction (数列の漸化式)

(1) 2次,3次の行列とベクトル

(2) 行列式と逆行列

(3) 固有値と固有ベクトル

(4) 行列の対角化

(5) 2次曲線の形

(6) 定数係数線型常微分方程式の解き方

(7) 数列の線型漸化式

以上の内,(1)から(4)までが一般論,(5)からあとが応用例です.

この授業には教科書はありません.こ
の科目は最近のカリキュラム改訂に
よって誕生した東大独自の科目であり,
ぴったりこの授業に対応するような
本はどこにもないと思います.ここで教えることは
通常「線型代数」と呼ばれている
分野の一部ですが,「線型代数」という題目のほとんどすべての
本にはもっと一般的,抽象的なことが書いてあります.
この授業ではそのような抽象論はやめて,高校で習った
2次行列の続きとして,具体的な計算を主に
取り扱います.どうしても何か本がないと不安だという人は,
「線型代数」とタイトルに入っている本を適当に見れば
いいでしょう.

成績については次のように付ける予定です.
まず,12月頃(後で前もって指定します)の授業1回を使って
中間テストを行います.その点数を$x_1$,
期末試験の点数を$x_2$として,最終成績$x$を,
$x=0.3\max(x_1,x_2)+0.7x_2$と計算します.
また,試験は中間,期末とも
自筆ノート持ち込み可で行う予定です.

私は教養の授業を教えるのはこれが2回目で,
前に教えたのは,去年の数学I A(理I1年生)です.
(ですから,私のこの授業の過去問を探してもムダです.)
去年の数学I Aの時の成績分布は次のとおりでした.

前期(平均67.7点).

$$\vbox{\offinterlineskip
\def\vsp{height 2pt &\omit &&\omit &&\omit &&\omit &&\omit &&\omit
&\cr}
\def\t{\noalign{\hrule}}
\def\h{\hfil}

\halign{& \vrule # & \strut \;\;\hfil # \; \cr
\t\vsp
& 0--24 (点) && 25--49  && 50--64 && 65--79 && 80--99 && 100 & \cr
\vsp\t
& 3(人) &&  4 &&  12 && 7 && 12 && 7 & \cr
\vsp\t
}}$$

後期(平均69.0点).

$$\vbox{\offinterlineskip
\def\vsp{height 2pt &\omit &&\omit &&\omit &&\omit &&\omit &&\omit
&\cr}
\def\t{\noalign{\hrule}}
\def\h{\hfil}

\halign{& \vrule # & \strut \;\;\hfil # \; \cr
\t\vsp
& 0--24 (点) && 25--49  && 50--64 && 65--79 && 80--99 && 100 & \cr
\vsp\t
& 0(人) &&  8 &&  9 && 9 && 9 && 9 & \cr
\vsp\t
}}$$


\bye