\magnification=\magstep1
\documentstyle{amsppt}
\def\a{\alpha}
\def\be{\beta}
\def\ga{\gamma}
\def\Q{\bold Q}
\def\R{\bold R}

\nopagenumbers

\centerline{1998年度理科II, III類1年生 数学IA演習・小テスト(4)}
\rightline{1998年5月12日・河東泰之}
\rightline{数理科学研究科棟310号室 (電話 5465-7024)}
\rightline{e-mail yasuyuki\@ms.u-tokyo.ac.jp}
\rightline{homepage http://kyokan.ms.u-tokyo.ac.jp/\~{}yasuyuki}
\bigskip

答案の一番上に氏名と学生証番号を書いてください.
(組は書かなくてもけっこうです.)自分のノートを
参照して結構です.

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[1] 以下の(1)〜(4)のそれぞれについて,
条件を満たす有理数列を1つずつあげよ.答を書くだけでなく,
説明をきちんとつけること.

(1) 有界数列で,上限と上極限は同じだが,下限と下極限が
違うもの.

(2) 有界数列で,上極限と下極限は同じ値$\a$だが,
上限と下限はどちらも$\a$ではないもの.

(3) 有界数列$\{\a_n\}_n$で,どのように部分列を選んでもその
部分列の上極限は0だが,$n\neq m$ならば常に$\a_n\neq\a_m$
であるもの.

(4) 上極限が1, 下極限が$-1$で,0に収束する部分列を持つ数列.

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[2] (1) 整数の列$\{a_n\}_{n=1,2,3,\dots}$で,すべての$n$について,
$a_n\in\{0,1,2,3,4,5,6,7,8,9\}$となるものを取る.この時,
$\alpha_n=\dsize\sum_{k=1}^n\frac{a_k}{10^k}$とおけば,数列
$\{\alpha_n\}_n$は,Cauchy列になることを示せ.

(2) 上の極限を,$a_n$を``0.''のあとに順に並べて
得られる無限小数の定義とする.この定義に基づいて,
$1=0.999\cdots$を証明せよ.ただし,右辺では,9が無限に続いている.

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[3] $\{\a_n\}_n$を有界な数列とする.$\a=\dsize\sup_n \a_n$とし,
$\a_n=\a$となる番号$n$は存在しないとする.このとき,
$\dsize\limsup_{n\to\infty} \a_n =\a$であることを示せ.

\bye