\magnification=\magstep1
\documentstyle{amsppt}
\def\a{\alpha}
\def\be{\beta}
\def\ga{\gamma}
\def\e{\varepsilon}
\def\Q{\bold Q}
\def\R{\bold R}

\nopagenumbers

\centerline{1998年度理科II, III類1年生 数学IA期末テスト}
\rightline{1998年9月8日・河東泰之}
\rightline{数理科学研究科棟310号室 (電話 5465-7024)}
\rightline{e-mail yasuyuki\@ms.u-tokyo.ac.jp}
\rightline{homepage http://kyokan.ms.u-tokyo.ac.jp/\~{}yasuyuki/}
\bigskip

試験は90分で,自筆ノート持ち込み可
(本や,人のノートのコピーは不可)で行います.問題は6題ありますが,
4題選んで解いてください.配点はどの問題も同じです.
5題以上解いた場合は点数のよい方から
4題分の合計点を試験の点数とします.

\bigskip [1]
次の関数の極値を求めよ.ただし,$x,y\in\R$である.
$$f(x,y)=2x^3+3x^2y-6xy^2+3y^3-3x^2.$$

\bigskip [2]
次の重積分の値を求めよ.
$$\dsize\int_D \;dx\;dy,\quad\quad
D=\{(x,y)\mid (x^2+y^2)^2\le 4(x^2-y^2)\}.$$

\bigskip [3]
2つの実数列$\{a_n\}_n, \{b_n\}_n$が次の条件を満たしているとする.

(1) すべての$n$について,$b_n < b_{n+1}$.

(2) $\dsize\sup_{n} b_n=\infty$.

(3) 極限$\dsize\lim_{n\to\infty}\dfrac{a_n-a_{n-1}}{b_n-b_{n-1}}$
は存在して有限の実数$\alpha$に等しい.

このとき,$\dsize\lim_{n\to\infty}\dfrac{a_n}{b_n}$
も存在して$\alpha$に等しいことを示せ.

\bigskip [4]
次のすべての条件を満たす$\R$上の実数値関数$f(x)$は存在するか.
もし存在するなら,例を挙げて説明せよ.存在しないならば,
存在しないことを証明せよ.

(1) $f(x)$は$\R$上一様連続である.

(2) $f(x)$は$\R$上微分可能である.

(3) 集合$\{f'(x)\mid x\in \R\}$は有界ではない.

\bigskip [5]
次の重積分の値を求めよ.

(1) $\dsize\int_0^1 \int_{x/10}^x \sqrt{xy-y^2}\;dy\;dx+
\dsize\int_1^{10} \int_{x/10}^1 \sqrt{xy-y^2}\;dy\;dx$.

(2) $\dsize\int_D \sqrt{4x^2-y^2}\;dx\;dy,\quad\quad
D=\{(x,y)\mid 0\le y\le x\le 1\}.$

\bigskip [6]
$-1 < x < 1$とするとき,
$f(x)=\log\dfrac{1+x^2}{1-x^2}$をTaylor展開せよ.そのべき級数が
$f(x)$に収束していることをきちんと示すこと.

\bye