\magnification=\magstep1
\documentstyle{amsppt}
\def\a{\alpha}
\def\be{\beta}
\def\ga{\gamma}
\def\e{\varepsilon}
\def\Q{\bold Q}
\def\R{\bold R}

\nopagenumbers

\centerline{1998年度理科II, III類1年生 数学IA演習・小テスト解説(9)}
\rightline{1998年6月23日・河東泰之}
\rightline{数理科学研究科棟310号室 (電話 5465-7024)}
\rightline{e-mail yasuyuki\@ms.u-tokyo.ac.jp}
\rightline{homepage http://kyokan.ms.u-tokyo.ac.jp/\~{}yasuyuki/}
\bigskip

配点は[1]から順に$20\times2$, 30, 30点です.
平均点は32点,最高は95点(2人)でした.

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[1] (1) $f_x(0,0)=0$, $f_y(0,0)=0$だから,
$f(x,y)=o(\sqrt{x^2+y^2})$であるかどうかを調べればよい.
$(x,y)\to(0,0)$のとき,$\dfrac{f(x,y)}{\sqrt{x^2+y^2}}\to 0$
だから,全微分可能であることがわかる.

あるいは偏微分を計算して$C^1$級であることを示してもよい.

(2) $f_x(0,y)=-y$, $f_y(x,0)=x$だから,
$f_{xy}(0,0)=-1$, $f_{yx}(0,0)=1$となる.(つまりこの2つは
異なっている.)

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[2] $f(tx,ty)=t^3 f(x,y)$の両辺を$t$で2回微分して$t=1$
とおけばよい.答は$6f(x,y)$. ($f(x,y)$は3次多項式とはかぎらない.)

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[3] $F(t)=e^{t^2(x^2+y^2)}$として,$t$についてTaylor展開した
あと$t=1$とおけばよい.答は
$\dsize\sum_{k=}^\infty \dfrac{1}{k!}(x^2+y^2)^k$.

いきなりべき級数に展開しても正しい答が出るが,その時はそれがTaylor
展開であることは別に示さないといけない.

\bye