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\centerline{1998年度理科II, III類1年生 数学IA講義・演習の予定}
\rightline{河東泰之(かわひがしやすゆき)}
\rightline{数理科学研究科棟310号室 (電話 5465-7024)}
\rightline{e-mail yasuyuki\@ms.u-tokyo.ac.jp}
\medskip

講義は毎週火曜の13:00から14:30までと金曜の13:00から14:30までです.
また,火曜の14:40から16:10までに演習があります.
演習は必修ではありませんが,講義と連動したものなので,
出席を強くすすめます.
演習の時間には,毎週テストを行い採点して次週に返却します.
この講義の内容は,厳密な解析学です.具体的内容としては,次のようなものを
予定しています.

\roster
\item Dedekind cutによる,実数の構成と,その基本性質
\item $\varepsilon$-$\delta$論法に基づく極限と連続性の議論
\item 微分法の基礎
\item 無限級数とTaylor展開
\item 偏微分法
\item 区分求積法と定積分,広義積分
\item 多変数関数の積分
\endroster

数学IAとIBの違いは実数や関数の性質を論理的に厳密に扱うかどうかです.
高校数学では論理的厳密性についてはあまりうるさいことを言わずに,
ごまかしているところがたくさんありますが,
こちらの数学IAでは一切のごまかしなく,完全な論理体系を示します.
数学が得意な人の取るのが数学IAだとか,数学IAの方が単位が取り易い/取り
にくいと言ったうわさがあるようですが,そうではありません.
成績は期末試験でつけますが,演習を取っている人については
演習のテストによるプラスアルファをつけることもあります.

特にこの講義用の教科書はありません.「解析学」と題する本で
あればほぼどの
教科書にも出ているような内容を扱いますが,関連した本で
有名なものをいくつかあげておきます.

高木貞治「解析概論」(岩波書店)

小平邦彦「解析入門」(岩波講座・基礎数学)

一松信「解析学序説(上・下)」(裳華房)

S. Lang ``Analysis I'' (Addison-Wesley)

W. Rudin ``Principles of Mathematical Analysis'' (McGraw Hill)

私の研究室は数理科学研究棟310号室です.
この建物の1階には数学科の図書室があり,教養の学生証で
入れます(が,本は借りられません).

この講義は私は4年前に理科I類で担当しました.
過去の問題などは,私のホームページ
{\tt http://kyokan.ms.u-tokyo.ac.jp/\~{}yasuyuki/}の
「授業関係のファイル」にあります

4年前の数学IAの時の成績分布は次のとおりでした.

前期(平均67.7点)

$$\vbox{\offinterlineskip
\def\vsp{height 2pt &\omit &&\omit &&\omit &&\omit &&\omit &&\omit
&\cr}
\def\t{\noalign{\hrule}}
\def\h{\hfil}

\halign{& \vrule # & \strut \;\;\hfil # \; \cr
\t\vsp
& 0--24 (点) && 25--49  && 50--64 && 65--79 && 80--99 && 100 & \cr
\vsp\t
& 3(人) &&  4 &&  12 && 7 && 12 && 7 & \cr
\vsp\t
}}$$

後期(平均69.0点)

$$\vbox{\offinterlineskip
\def\vsp{height 2pt &\omit &&\omit &&\omit &&\omit &&\omit &&\omit
&\cr}
\def\t{\noalign{\hrule}}
\def\h{\hfil}

\halign{& \vrule # & \strut \;\;\hfil # \; \cr
\t\vsp
& 0--24 (点) && 25--49  && 50--64 && 65--79 && 80--99 && 100 & \cr
\vsp\t
& 0(人) &&  8 &&  9 && 9 && 9 && 9 & \cr
\vsp\t
}}$$

\bye