\magnification=\magstep1
\documentstyle{amsppt}

\baselineskip 12pt
\NoBlackBoxes
\nopagenumbers
\define\R{\bold R}
\define\Q{\bold Q}
\define\Z{\bold Z}
\define\e{\varepsilon}
\def\lan{\langle}
\def\ran{\rangle}

\centerline{数理科学 II 期末テスト}
\medskip
\rightline{2007年7月25日}
\rightline{河東泰之(かわひがしやすゆき)}
\rightline{数理科学研究科棟323号室(電話 5465-7078)}
\rightline{e-mail yasuyuki\@ms.u-tokyo.ac.jp}
\rightline{{\tt https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/\~{}yasuyuki/}}
\bigskip

このテストは,ノート,本,コピーなどすべて持ち込み可で行います.
途中の計算,説明などをきちんと書いてください.
答案用紙は1枚両面です.それに収まるように書いてください.
(多少欄外にはみ出してもかまいません.)

\bigskip
[1] 次のそれぞれの微分方程式を解け.解が本当にそれだけである
理由をきちんと説明すること.
(解の一意性に関する一般論を適用する場合は,
何をどのように適用したかを述べること.)

\medskip (1) $(x^2-x)y'=(2x-1)y$.

\medskip (2) $y'- y\cos x =(x^2+2x+3)e^{\sin x}$.

\medskip (3) $y''-4y'+4y=2e^{2x}$.

\medskip
[2] ある定数係数線型常微分方程式について,
$x+\sin x$ は解の一つであり,また $x+e^x$ も解の一つであるとする.
このような定数係数線型常微分方程式のうち,階数の最も低いものを
求めよ.

ただし,定数係数線型常微分方程式
$y^{(n)}+c_{n-1}y^{(n-1)}+\cdots+c_1y'+c_0y=f(x)$ の
階数とは $n$ のことであり,今 $c_0,c_1,\dots,c_{n-1}$ は
実数としている.

\medskip
[3] $a,b,c,d$ を実数の定数,$f(x), g(x)$ を実数全体で定義された
実数値連続関数とする.
$y''+ay'+by=f(x)$ の解全体の集合を,$V_1$, 
$y''+cy'+dy=g(x)$ の解全体の集合を,$V_2$ とし,
$V=\{y_1-y_2\mid y_1 \in V_1, y_2 \in V_2\}$ とおく.
(解はすべて実数全体の上の関数と考えている.) $V$ が実数上のベクトル空間
になり,かつその次元が 2 になるための必要十分条件を求めよ.

\medskip
[4] 実数全体で定義された実数値関数 $f(x)$ について,
ある区間 $[p,q]$ が,すべての $f(x)$ の値を含むように取れるとき,
$f(x)$ は有界であると言う.次の問いに答えよ.

(1) 微分方程式 $y'''+ay''+by'+cy=0$ のすべての解が有界であるための
必要十分条件を求めよ.ただし,$a,b,c$ は実数の定数であり,微分方程式は
実数全体の上で考えている.

(2) 微分方程式 $y'''+ay''+by'+cy=\sin x$ のすべての解が有界であるための
必要十分条件を求めよ.ただし,$a,b,c$ は実数の定数であり,微分方程式は
実数全体の上で考えている.

\bye