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\def\ran{\rangle}

\centerline{数理科学 II 中間テスト(2)略解・解説}
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\rightline{2005年7月11日}
\rightline{河東泰之(かわひがしやすゆき)}
\rightline{数理科学研究科棟323号室(電話 5465-7078)}
\rightline{e-mail yasuyuki\@ms.u-tokyo.ac.jp}
\rightline{{\tt https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/\~{}yasuyuki/}}
\bigskip

120点満点です.平均点は70.1点,最高点は114点(3人)でした.
(解の一意性の吟味は以下の略解では詳しく書いてありません.
実際の答案ではしかるべきチェックが必要です.)

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[1] 15点$\times3$ です.いずれも解の存在と一意性の定理が使える形を
しています.また,いずれも線型方程式なので,そちらの一般論を使っても
一意性は示せます.答えは次の通りです.

(1) $y=\cos x + \sin x$.

(2) $(x^2+c_1 x+c_2)e^{3x}$.

(3) $x+ce^{x^2}$.

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[2] 25点です.$x\neq0$ では $x$ で割って普通に解けます.$x=0$ で連続に
つなぐには,$y=0$ でないといけないことがわかるので,
一般解は$y=x^2+cx$です.この形より,解が通らない点は,
$(0,t), t\neq 0$ で,複数の解が通る点は$(0,0)$です.

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[3] 25点です.$y_1, y_2, y_3$ は,$y'''-2y''+5y'+26y=0$ の3つの解なので,
この Wronskian より,答えは $C e^{2x}$ の形となります.定数 $C$ を
求めるには,$x=0$ の
ときの行列式を求めればよく,答えは $-75 e^{2x}$ となります.

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[4] 25点です.2次方程式 $t^2+ax+b=0$ の解を考えます.
2つの異なる実根を持つ場合と,2重根を持つ場合は一般解の式を
書いてみれば,無限回値0を取ることはないことがわかります.
一方,上の2次方程式が実根を持たない場合,つまり $a^2-4b < 0$
の場合は,一般解の式を書いてみれば,無限回値0を取ることが
起こりうることがわかります.

\bye