\magnification=\magstep1
\documentstyle{amsppt}

\baselineskip 14pt
\NoBlackBoxes
\nopagenumbers
\define\R{\bold R}
\define\Q{\bold Q}
\define\Z{\bold Z}
\define\e{\varepsilon}
\def\lan{\langle}
\def\ran{\rangle}
\def\supp{\text{supp}}

\centerline{数理科学 II 期末テスト}
\medskip
\rightline{2003年7月22日}
\rightline{河東泰之(かわひがしやすゆき)}
\rightline{数理科学研究科棟323号室(電話 5465-7078)}
\rightline{e-mail yasuyuki\@ms.u-tokyo.ac.jp}
\rightline{{\tt https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/\~{}yasuyuki/}}
\bigskip

このテストは自筆ノート持ち込み可で行います.
各問とも途中の計算,説明などをきちんと書いてください.
答案用紙は1枚両面ですので,それに収まるように書いてください.
(多少欄外にはみ出してもかまいません.)

\bigskip
[1] 次のそれぞれの微分方程式を解け.
解が本当にそれしかないということのきちんとした根拠を示すこと.
(解の一意性に関する一般論を適用する場合は,
何をどのように適用したかを述べること.)

\medskip (1) $y'=-2xy$.

\medskip (2) $y''-4y'+4y=2e^{2x}+x$.

\medskip (3) $e^x y'+y=e^x+x$.

\bigskip
[2] 微分方程式 $y'+y=3 e^{2x}$ の一般解と,
微分方程式 $y''-2y'+y=x^2$ の一般解を足したものを考える.
これらがちょうど一般解全体になるような,
定数係数線形常微分方程式を求めよ.

\bigskip
[3] $x e^{2x}+3 e^{-x} +e^{3x}$と
$2x e^{2x}+ e^{-x} +e^{3x}$は,
ある一つの定数係数3階線形常微分方程式の解であるという.
この定数係数3階線形常微分方程式を求めよ.

\bigskip
[4] $x \in {\bold R}, y > 0$ の範囲で,微分方程式
$xy'-y \log y=0$ を解け.また,$x \in {\bold R}, y > 0$ の
初期値でその点を通る解がない点をすべてあげよ.

\bigskip
[5] ある定数係数3階線形常微分方程式 $y'''+ ay''+by'+cy=0$ ($a,b,c$ は
実数)が,解として $\sin x, \sin 2x$ の両方を持つことがあるか.
あるのなら,そのような例を一つ挙げよ.ないのならその理由を説明せよ.

\bye