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\centerline{数理科学 II 中間テスト(2)}
\medskip
\rightline{2003年7月1日}
\rightline{河東泰之(かわひがしやすゆき)}
\rightline{数理科学研究科棟323号室(電話 5465-7078)}
\rightline{e-mail yasuyuki\@ms.u-tokyo.ac.jp}
\rightline{{\tt https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/\~{}yasuyuki/}}
\bigskip

このテストは自筆ノート持ち込み可で行います.
各問とも途中の計算,説明などをきちんと書いてください.
答案用紙は1枚両面ですので,それに収まるように書いてください.
(多少欄外にはみ出してもかまいません.)

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[1] 次のそれぞれの微分方程式を解け.
解が本当にそれしかないということのきちんとした根拠を示すこと.
(解の一意性に関する一般論を適用する場合は,
何をどのように適用したかを述べること.)

\medskip (1) $y'=-2x y^2$.

\medskip (2) $y\cos x-y'\sin x=1$.

\medskip (3) $y''-3y'+2y= 4x^2 + e^x$.

\bigskip
[2] ある定数係数2階線形常微分方程式の一般解が
$y=a e^x \sin x + b e^x \cos x+ e^{2x}$ であるという.ただし,
$a, b$ は任意の実数の定数である.このとき,もとの
定数係数2階線形常微分方程式を求めよ.

\bigskip
[3] 微分方程式 $x+yy'=0$ の一般解を求めよ.また,この微分方程式が
解を持たないような初期値を求めよ.

\bigskip
[4] 微分方程式 $y'''+a y''+ by' +c y=0$ を考える.
ただし, $a, b, c$ は実数の定数である.このとき次のことが成り立つ
ための必要十分条件を $a, b, c$ を用いて表せ.

『この微分方程式の実数値を取るすべての解 $y(x)$ が実数全体で
有界になる.すなわち,解 $y(x)$ ごとにある定数 $C$ が取れて,すべての
実数 $x$ について $| y(x) | \leqq C$ がなりたつ.』

\bigskip
[5] 微分方程式 $y'''+a y''+ by' +c y=0$ を考える.
ただし, $a, b, c$ は実数の定数である.このとき次の問に答えよ.

(1) この微分方程式の,実数全体で定義された,実数値の解全体のなす,
実数を係数とするベクトル空間を $V$ と書く.$f(x)\in V$ に
対して,$f(x+1)$ を対応させる写像 $A$ は $V$ 上の線形写像(線形変換,
1次変換などとも言う)であることを示せ.

(2) 上の線形写像 $A$ が固有値 $1$ を持つための必要十分条件を,
$a, b, c$ を用いて表せ.

\bye