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\nopagenumbers
\def\R{{\bold R}}
\def\ep{{\varepsilon}}

\centerline{1996年度解析学IV追試}
\rightline{1996年12月17日}
\rightline{河東泰之}

%\bigskip
%$$\boxed{\hbox{問題用紙は2枚あります}}$$
\bigskip

この試験は
自筆ノート持ち込み可で行います.
(本,プリント,人のノートのコピーなどは不可です.)
時間は3時間です.
問題はたくさんありますが,1問20〜30点
でつける予定なので,適当に選択して解いてください.

\bigskip [1]
$f(x)$を$[0,1]$上の複素数値関数とする.$|f(x)|$がLebesgue可測であると
仮定したとき,$f(x)$もLebesgue可測であると言えるか.理由をつけて答えよ.

\bigskip [2]
$f(x)$を,$(1,\infty)$上の複素数値Lebesgue可積分関数とする.
$$\lim_{n\to\infty}\int_1^\infty \frac{f(x)}{x^n}\;dx$$
を求めよ.計算の根拠もきちんと示すこと.

\bigskip [3]
$f(x)$を$\R$上の複素数値Lebesgue可測関数で,ほとんどいたるところ
微分可能なものとする.この時,
$$g(x)=\cases 
f'(x),&\hbox{$f(x)$が微分可能なとき,}\\
0,&\hbox{$f(x)$が微分不可能なとき,}\endcases$$
と定義した$g(x)$は,$\R$上Lebesgue可測であることを示せ.
(証明は詳しく書くこと.安易に「明らかに」などとしたものは
減点である.)

\bigskip [4]
$p,q\in[1,\infty]$とする.$p\neq q$の時,
$L^p(0,1)$と$L^q(0,1)$は異なることを示せ.ただし,測度は
Lebesgue測度を考えている.

\bigskip [5]
$f(x)\in L^1(\R)$とし,$g(x)$を$\R$上の複素数値微分可能関数とする. 
さらに,$g(x), g'(x)$は$\R$上有界と仮定する.この時,
$$h(x)=\int_{-\infty}^\infty f(x-y)g(y)\;dy$$
とおけば,$h(x)$は微分可能な関数であって,
$$h'(x)=\int_{-\infty}^\infty f(x-y)g'(y)\;dy$$
となることを示せ.

\bigskip [6]
$p\in(1,\infty)$とし,
$f(x)\in L^p(\R)$と$\ep > 0$が任意に与えられたとする.
この時,$\R$上の連続関数$g(x)$で,ある有界区間の外では
0となり,$\|f-g\|_p < \ep$となるものが存在することを示せ.

\bye