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\define\Q{\bold Q}
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\define\N{\bold N}
\define\ep{{\varepsilon}}

\centerline{解析学IV 小テストNo\. 12の簡単な解説}
\medskip
\rightline{1996年7月16日}
\rightline{河東泰之}

\bigskip [1]
積分記号下の微分を普通にやればよい.

\bigskip [2]
やはり積分記号下の微分ですが,直接仮定が使える形になって
いないので評価が必要です.

$K$として$z_0$中心,半径$2r>0$の閉円板を取り,これに対応する
$g(t)$を取る.$z_0$中心,半径$r$の開円板に$z$が入っているとき,
$z$を中心とする半径$r$の演習を$C$とすれば,
$$|f_z(t,z)|=\left|\frac{1}{2\pi i}\int_C \frac{f(t,\zeta)}
{(\zeta-z)^2}\;d\zeta\right|\le\frac{g(t)}{r}$$
となるので,通常の積分記号下での微分に持ち込めて,
Cauchy-Riemann方程式がチェックできる.

\bigskip [3]
各整数$n$について,
$E_n=E(n \le f < n+1)$とおくと,
条件よりある一つの$n_0$以外の$n$については$\mu(E_n)=0$となる.
この$n_0$について,
$E_{11}=E(n \le f < n+1/2)$,
$E_{12}=E(n+1/2 \le f < n+1)$とおけば,
どちらか片方についてだけ測度が真に正となる.
今$\mu(E_{11}) > 0$とし,さらに,
$E_{21}=E(n \le f < n+1/4)$,
$E_{22}=E(n+1/4 \le f < n+1/2)$とおけば,再び
どちらか片方についてだけ測度が真に正となる.以下同様に,
$E_{n1}, E_{n2}$を作っていけば,区間縮小法により,
次々半分になっていく区間に共通の実数$c$が一つだけあるので,
その$c$について,$f(x)=c\;\;\hbox{a.e.}$となる.

\bigskip
配点は1番から順に,40, 30, 30点です.
最高点は100点(1人),平均点は35.8点でした.
\bye