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\centerline{解析学IV 小テストNo\. 9の簡単な解説}
\medskip
\rightline{1996年6月18日}
\rightline{河東泰之}

\bigskip
[1] 授業で言ったように,これらは$\boxed{\hbox{絶対に}}$お
ぼえておくべき基本
定理です.できなかった人は$\boxed{\hbox{必ず}}$
きちんとおぼえてください.これらをおぼえていない人に単位を
出すつもりはありません.

Beppo Leviの定理で$f_n\ge0$というのを忘れている人が何人かいましたが,
これを落とすと授業で言ったとおり定理が不成立になります.
Fatouのlemmaで逆向きの不等式を書いている人が結構いましたが,
「不等式の向きを忘れたときは例で考えればすぐわかる」と授業で言ったとおり
です.また,Lebesgueの収束定理では$f_n(x)$の極限が存在する,
というのは仮定の一部です.はっきり書いて下さい.

また,授業のように「黙って関数を書けば可測関数のことだ」
というような取り決めはありますが,このように改まって「定理を
書け」というからには「可測関数」ということも断って欲しいものです.
(これについては減点はしていません.)

基本的に,この問題は厳しくつけました.

\bigskip [2]
$f(Tx)$の可測性はすぐ解る.
$f\ge 0$として一般性を失わない.$f_n$を$f$に下から
単調増大に収束する単関数列とする.この時,
$f_n(Tx)$は,$f(Tx)$に下から単調増大に収束する単関数列と
なる.そこで,$\dsize\int_X f_n(x)\;d\mu=
\dsize\int_X f_n(Tx)\;d\mu