\magnification=\magstep1
\documentstyle{amsppt}

%\baselineskip 14pt
\nopagenumbers

\define\R{\bold R}
\define\Q{\bold Q}
\define\Z{\bold Z}
\define\N{\bold N}
\define\e{\varepsilon}

\centerline{解析学IV 小テストNo\. 9 略解・解説}
\medskip
\rightline{2000年7月4日}
\rightline{河東泰之(かわひがしやすゆき)}
\rightline{{\tt e-mail: yasuyuki\@ms.u-tokyo.ac.jp}}
\rightline{{\tt https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/\~{}yasuyuki/}}

\bigskip

今回の配点は[1]から順に40, 30, 30点で,
平均は34.8点,最高は90点(1人)でした.
採点はTeaching Assistantの岸本君です.
簡単な解説をつけます.

\bigskip [1]
2つの完全加法族をそれぞれ$\Cal B_1$, $\Cal B_2$とします.
$\Cal B_1 \subset \Cal B_2$を示すには,Borel集合$E, F$
を取ったときに,$E\times F$が$\R^2$のBorel集合である
ことを示せば十分です.これには,$E\times \R$, $\R\times F$
がそれぞれ$\R^2$のBorel集合であることを示せばよく,それは
Borel集合の定義からわかります.

逆に$\Cal B_2 \subset \Cal B_1$であることは,$\R^2$の
開集合のbasisとして,開区間の直積が取れることから
わかります.

\bigskip [2]
$\R$上のLebesgue非可測集合$A$を取り,
$A\times\{0\}$を考えればだいじょうぶです.これは
$\R^2$では外測度0なので,Lebesgue可測です.もし
これがBorelだとすると,[1]よりBorel集合族の
直積完全加法族に入るので,Fubiniの定理より,切り口
である$A$もBorel集合,したがってLebesgue可測になって
しまって矛盾です.

\bigskip [3]
等しいというのが答えです.順番に定義をチェックして
いけばできます.

\bye