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\centerline{解析学IV 小テストNo\. 7 略解・解説}
\medskip
\rightline{2000年6月6日}
\rightline{河東泰之(かわひがしやすゆき)}
\rightline{{\tt e-mail: yasuyuki\@ms.u-tokyo.ac.jp}}
\rightline{{\tt https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/\~{}yasuyuki/}}

\bigskip

今回の配点は[1]から順に30, 30, 40点で,
平均は34.5点,最高は100点(1人)でした.
採点はTeaching Assistantの勝良君です.
簡単な解説をつけます.

\bigskip [1]
もちろんいろいろ答えはありますが,簡単なものとしては
次のものがあります.

まず$$h(x)=\cases
1-|x|,&
\text{$|x|\le 1$のとき,}\\
0,&\text{それ以外のとき,}\endcases$$
とおきます.ついで,$h_n(x)=n h(e^n(x-n))$として
$f(x)=\dsize\sum_{n=1}^\infty h_n(x) + e^{-x^2}$と
すればO.K.でしょう.$e^{-x^2}$を足してあるのは単に
$f(x) > 0$にするためです.

\bigskip [2]
まず積分とLebesgue測度の定義より,
$$\int_E f(x-t)\;dx=\int_{E+t} f(x)\;dx=
\int_\R \chi_{E+t}(x)f(x)\;dx$$
となっています.ただしここで
$E+t=\{x+t\mid x\in E\}$のことです.
$t\to\infty$のとき,$E$が有界なことより
各点$x$において$\chi_{E+t}(x)f(x)\to0$となっています.
$|\chi_{E+t}(x)f(x)| \le |f(x)|$で$f(x)$は可積分と
仮定しているのでLebesgueの収束定理が使えて答えが出ます.

\bigskip [3]
まず,$|x|\le1$の範囲では$f(x)$が有界,したがって可積分なので
$|x|^n f(x)$も可積分です.

次に,$|x| > 1$の範囲では$|x|^{n+2} f(x)$が有界という仮定より,
$|x|^n f(x)$が可積分になります.すると積分記号下での微分が
できる形になって,$C^\infty$級であることが示せます.

\bye