\magnification=\magstep1
\documentstyle{amsppt}

\baselineskip 14pt
\nopagenumbers

\define\R{\bold R}
\define\Q{\bold Q}
\define\Z{\bold Z}
\define\N{\bold N}
\define\e{\varepsilon}
\newsymbol\varnothing 203F
\NoBlackBoxes

\centerline{解析学IV 期末テスト}
\medskip
\rightline{1997年9月8日}
\rightline{河東泰之}
\bigskip
$$\boxed{\hbox{問題用紙は2枚あります}}$$
\bigskip
自分のノートを参照してけっこうです.
ただし,本の参照は不可です.
時間は3時間です.
問題はたくさんありますが,1問20〜30点
でつける予定なので,適当に選択して解いてください.

\bigskip
\bigskip
[1] 測度空間$(X, \Cal B, \mu)$に対し,
$A\in \Cal B$が,$B\in \Cal B$, $B\subset A$,
$0 < \mu(B) <\mu(A)$となるような$B$を持たない時,
$A$はatomであるという.

測度空間$(X, \Cal B, \mu)$は,$\mu(X)=1$を満たし,
atomを持たないとする.このとき,
任意の$\e > 0$に対し,$A\in \Cal B$で
$0 < \mu(A) <\e$となるものが存在することを示せ.

\bigskip
[2] $\mu(X)=1$を満たす測度空間$(X, \Cal B, \mu)$上の
可測関数$f(x)$が,すべての$x\in X$で
$-\infty < f(x) < \infty$を満たしているとする.
正数$\e$が,
$$A\in \Cal B, \mu(A)<\e\text{ならば$f$は$A$上可積分である}$$
と言う条件を満たしているとする.このとき,$f(x)$は$X$上可積分
であることを示せ.

\bigskip
[3] $f_n(x), f(x)$, $(n=1,2,\dots)$, は,
測度空間$(X, \Cal B, \mu)$上の可測関数で,$X$上
$0\le f_n(x)\le f(x)\le \infty$を満たすものとする.
このとき,すべての$x\in X$に対し,
$\dsize\lim_{n\to\infty} f_n(x)=f(x)$であれば
$$\lim_{n\to\infty}\int_X f_n(x)\;dx=\int_X f(x)\;dx$$
であることを示せ.

\bigskip
[4] $f(x), g(x)\in L^2(\R)$としたとき,
$$\lim_{t\to\infty} \int_\R f(x+t)g(x)\;dx=0$$
であることを示せ.

\bigskip
[5] $1 < p,q < \infty$, $\dfrac{1}{p}+\dfrac{1}{q}=1$とする.
$f(x)\in L^p(\R)$のとき,
$\dsize\sup_{\|g\|_q=1} \left|\int_\R f(x)g(x)\;dx\right|$を
求めよ.

\bigskip [6]
$f(x)$を$(0,1)$上の実数値Lebesgue可測関数とし,
すべての$p\in[1,\infty)$について,
$\dsize\int_0^1 |f(x)|^p\;dx < \infty$であるとする.
$g(p)=\left(\dsize\int_0^1 |f(x)|^p\;dx\right)^{1/p}$とした時,
$g(p)$は,$[1,\infty)$上単調増加で,連続な関数であることを示せ.

\bigskip
[7] $f(x), g(x)\in L^1(\R)$のとき,
$$\int_\R (f*g)(x)e^{-ixt}\;dx=
\int_\R f(x) e^{-ixt}\;dx
\int_\R g(x) e^{-ixt}\;dx
$$
であることを示せ.式変形の根拠をきちんと説明する
こと.ただし,$t$は実数である.

\bigskip\bigskip
解答は答案用紙に書いて下さい.
採点した答案はのちほど事務室から返却します.
(河東は今イタリアにいるので,採点に少し時間がかかり
ます.)

\bye