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\define\R{\bold R}
\define\Q{\bold Q}
\define\Z{\bold Z}
\define\N{\bold N}
\newsymbol\varnothing 203F

\centerline{解析学IV 小テストNo\. 5}
\medskip
\rightline{1997年5月19日}
\rightline{河東泰之}
\rightline{{\tt e-mail: yasuyuki\@ms.u-tokyo.ac.jp}}
\rightline{{\tt http://kyokan.ms.u-tokyo.ac.jp/\~{}yasuyuki/}}
\bigskip
自分のノートを参照してよい.(ただし,本は見ないこと.)

\bigskip [1]
次の4条件すべてを満たす$\R$の部分集合$A$の例を一つ挙げよ.

(1) $A$はLebesgue可測である.

(2) $\mu(A)=0$. ($\mu$はLebesgue測度を表す.)

(3) $A$は$\R$で稠密である.

(4) $A$の濃度は連続濃度である.

\bigskip [2]
$X_n=\{0,1\}$, $X=\prod_{n=1}^\infty X_n$とおく.
$a_1,a_2,\dots,a_k\in\{0,1\}$に対し,
$\{a_1\}\times\{a_2\}\times\cdots\times\{a_k\}\times
\prod_{n=k+1}^\infty X_n$の形の集合がすべて開集合になるような
もっとも弱い位相を$X$に入れる.この$X$が,5/12の授業で定義した
Cantor集合$C$(閉区間$[0,1]$から始めて次々真ん中$1/3$の
開区間を抜いていったもの)を$\R$の部分空間と思ったもの
と位相同型であることを示せ.
(つまり,$C$から$X$への全単射$f$で,$f$も$f^{-1}$も
連続であるものが存在することを示せ.)

\bigskip [3] 実数のparameter $t$に依存する$\R$上の実数値
関数の族$f_t(x)$があって,すべての$t\in\R$に対し
$f_t(x)$はLebesgue可測であるとする.すべての$x\in\R$に
おいて,$t\to0$のとき$\lim_{t\to 0}f_t(x)$
が存在するとし,それを$f(x)$とおく.このとき
$f(x)$もLebesgue可測であることを示せ.

\bigskip [4]
$X=(0,1]$とし,$n\ge 1$を自然数とする.
$\Cal B$を,$X$上の完全加法族で
$A_1=(0,1/n]$, 
$A_2=(1/n,2/n]$,\dots,$A_n=((n-1)/n,1]$を含むような最小のもの
とする.$\mu(A_1)=\mu(A_2)=\cdots=\mu(A_n)=1/n$によって
$\Cal B$上の測度$\mu$が一意的に定まり,このとき$X$
上の実数値可測関数全体は$\R$-vector spaceをなす.
(ここまでは証明しなくてよい.)このときこのvector spaceの
次元を求めよ.

\bigskip\bigskip
解答は別紙に書いて下さい.解答用紙の裏面を使用してもけっこうです.

\bye