\magnification=\magstep1
\documentstyle{amsppt}

\baselineskip 14pt
\nopagenumbers

\define\R{\bold R}
\define\Q{\bold Q}
\define\Z{\bold Z}
\define\N{\bold N}
\define\e{\varepsilon}
\newsymbol\varnothing 203F

\centerline{解析学IV 小テストNo\. 3の簡単な解説}
\medskip
\rightline{1997年5月12日}
\rightline{河東泰之}

\bigskip [1] 
$B\subset\R$に対し,$x\in A\cap B$, $y \in A\cap B^c$とすれば,
$\Gamma(\{x\})=\Gamma(\{y\})=\Gamma(\{x,y\})=1/2$となるので,
$B$は$\Gamma$-可測ではなくなります.つまり,$B$は$\Gamma$-可測である
ためには,$A$を丸ごと
含むか,まったく$A$と交わらないかのどちらかでないと
いけません.$A^c$についても同様なので,
$\Gamma$-可測集合全体は,$\Cal F=\{\varnothing,
A, A^c, \R\}$です.

\bigskip [2] 空集合以外のすべての$A$について,
$\Gamma(A)=\infty$となるので,
$X$のすべての部分集合が$\Gamma$-可測です.

\bigskip [3] 
$A_n=A\cap ([1/n,n]\times\R)$とおくと,$A=\dsize\bigcup_{n=1}^\infty A_n$
だから,各$n$について$\mu^*(A_n)=0$を示せば,$\mu^*(A)=0$
が示せたことになります.
任意の$\e > 0$に対し,関数$1/x$が$[1/n,n]$上一様連続であることより,
区間$[1/n,n]$を細かく分割することにより,高さ$\e$の有限個の長方形で
$A_n$を覆うことができます.$\e > 0$は任意に小さく取れるので,
$\mu^*(A_n)=0$となります.
以上より$\mu^*(A)=0$です.

\bigskip [4] $A=(0,1]$とすると,$m$の定義より,
$m(A)=2$です.一方,
$A_n=(\dfrac{1}{n+1},\dfrac{1}{n}]$とすれば,
$\Gamma(A)\le1=\dsize\sum_{n=1}^\infty m(A_n)$
となっているのでこの$A$が問題の例になっています.

\bigskip
配点は各問25点です.
最高点は100点(7人),平均点は47.8点でした.
\bye