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\def\R{{\bold R}}
\def\ep{{\varepsilon}}

\centerline{1997年度解析学IV追試}
\rightline{1997年12月16日}
\rightline{河東泰之}

%\bigskip
%$$\boxed{\hbox{問題用紙は2枚あります}}$$
\bigskip

この試験は
自筆ノート持ち込み可で行います.
(本,プリント,人のノートのコピーなどは不可です.)
時間は3時間です.
この試験は持ち込み可なので,下の[1]に正しく答えることが
単位を取るための必要条件です(が,もちろん十分条件ではありません).
%問題はたくさんありますが,1問20〜30点
%でつける予定なので,適当に選択して解いてください.

\bigskip [1]
次の各定理のステートメントを書け.

(1) Lebesgueの収束定理

(2) 単調収束定理(Beppo Leviの定理とも言う)

(3) Fatouのlemma

\bigskip [2]
$[0,1]$上の実数値関数で,Riemann積分可能ではないが,
Lebesgue測度について可積分であるような関数の例を1つ
あげよ.その関数がこの条件を満たしていることを
きちんと説明すること.

\bigskip [3]
次のおのおのの場合について,与えられた条件を満たす関数は
存在するか.存在する場合は一つ例を挙げ,存在しない場合は
存在しないことの証明を与えよ.(例を挙げるときはきちんと説明
をつけること.)

(1) $[0,1]$上Lebesgue可測な実数値関数$f(x)$で,
$f(x)^2$は$[0,1]$上可積分だが,$f(x)$は$[0,1]$上可積分ではないもの.

(2) $\R$上Lebesgue可測な実数値関数$f(x)$で,
$f(x)^2$は$\R$上可積分だが,$f(x)$は$\R$上可積分ではないもの.

(3) $(0,1)$上連続な実数値関数$f(x)$で,$(0,1)$上Lebesgue
測度について可積分だが有界ではないもの.

(4) $\R$上連続な実数値関数$f(x)$で,$\R$上Lebesgue可積分だが,
$\dsize\lim_{x\to\infty}f(x)=0$とはならないもの.

(5) $\R$上連続な実数値関数$f(x)$で,すべての自然数$n\ge1$
について$|f(x)|^n$は$\R$上Lebesgue可積分となるが,
$\dsize\lim_{x\to\infty}f(x)=0$とはならないもの.

\bigskip [4]
$f(x)$を$\R$上の正値Lebesgue可積分関数とする.
$\dsize\lim_{n\to\infty} \int_\R f(x)^n\;dx$が(有限確定値として)
存在するための必要十分条件を求めよ.さらにそのときの,
この極限値を求めよ.

\bigskip [5]
$f(x)$を,$\R$上の実数値Lebesgue可積分関数とする.
$$\lim_{n\to\infty}\int_\R \frac{f(x)}{1+x^{2n}}\;dx$$
を求めよ.計算の根拠もきちんと示すこと.

\bigskip [6]
$f(x)$を$\R$上の実数値Lebesgue可測有界関数とし,
$|f(x)|\le C\;\;\hbox{a.e.}$となるような$C$の下限が1であると
する.$g(x)$が,$\R$上の実数値Lebesgue可積分関数で
$\dsize\int_\R |g(x)|\;dx\le1$となるもの全体を動くとき,
$\dsize\left|\int_\R f(x)g(x)\;dx\right|$の上限を求めよ.

\bye