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\newsymbol\varnothing 203F

\centerline{解析学IV 小テストNo\. 11の簡単な解説}
\medskip
\rightline{1997年7月14日}
\rightline{河東泰之}

\bigskip [1] 
今有限集合で考えているので,単調増大列,減少列は必ず
ある番号以降は同じ集合になってしまいます.だから,
$\Cal F$内の単調増大列,減少列の極限は$\Cal F$自身の
元になってしまいます.つまり,$\Cal F$自身がすでに
単調族でこれが答えです.

\bigskip [2] 
(1) これは有名なもので,例えば留数計算でできます.忘れた人は
複素関数論の本を見てください.

(2) 関数$\dfrac{\sin (x^{2k})}{x^{2k+1}}$を部分積分することに
よって,極限が0であることがわかります.

(3) 極限の式を次のように3つに分けます.
$$\int_{-1}^1 \sin nx\frac{\sin (x^{2k})-x^{2k}}{x^{2k+1}}\;dx+
\int_{-1}^1 (\sin nx)\frac{x^{2k}}{x^{2k+1}}\;dx+
\int_{|x|>1} \sin nx\frac{\sin (x^{2k})}{x^{2k+1}}\;dx$$
第3項のlimitは,(2)より0です.また,第1項は,
関数$\dfrac{\sin (x^{2k})-x^{2k}}{x^{2k+1}}$を,
$[-1,1]$で考えることにより,(2)と同様に極限0を持つ
事が分かります.
第2項は置換積分で,
$\dsize\int_{-n}^n \dfrac{\sin x}{x}\;dx$となるので,(1)を使って,
結局極限は$\pi$になります.

\bigskip [3] 
いろいろな作り方がありますが,
たとえば,集合列$A_n$を,
$[0,1/2]$, $[1/2,2/2]$,
$[0,1/4]$, $[1/4,2/4]$, $[2/4, 3/4]$, $[3/4,4/4]$,
$[0,1/8]$, $[1/8,2/8]$, $[2/8, 3/8]$, $[3/8,4/8]$,
$[4/8,5/8]$, $[5/8,6/8]$, $[6/8, 7/8]$, $[7/8,8/8]$,
$\dots$として決め,$f_n(x)=\chi_{A_n}(x)$とすれば
大丈夫です.

\bigskip
最高点は90点(2人),平均点は29.5点でした.

\bye