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\begin{document}
\centerline{2018年解析学特別演習IIIテスト(1)解答解説}
\medskip
\rightline{河東泰之(かわひがしやすゆき)}
\rightline{数理科学研究科棟323号室 (電話 5465-7078)}
\rightline{e-mail yasuyuki@ms.u-tokyo.ac.jp}
\rightline{{\tt https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/\~{}yasuyuki/}}
\bigskip

[1]の各問はできていれば0点,できていなければ$-10$点で,
[2], [3], [4], [5]は各25点です.合計点が負になった人は0点
にしてあります.平均点は36点,最高点は100点(2人)でした.

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[1] 重要な仮定が抜けているものは×ですが,それ以外は甘くつけてあります.
これができていないようでは,この授業にはついて来られません.
できていなかった人は,{\bf 必ず}復習して身につけておいてください.

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[2] これも重要な仮定(領域が単連結とか,積分路が1点にホモトピックとか)
が抜けているものは×ですが,それ以外は甘くつけてあります.
聞いているのは Cauchy の積分定理ですが,積分公式のほうを書いても
〇にしてあります.

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[3]
任意の実数$a$と,任意の実数列 $\{a_n\}_n$ について,
$\displaystyle \lim_{n\to\infty} \int_a^{a+a_n} f(t)\;dt=0$
を示せば十分です.$a,a+a_n$を両端とする閉区間を $I_n$ とおいて,
関数列 $\{\chi_{I_n}(t)f(t)\}_n$ を考えると,可積分関数
$|f(t)|$ によって一斉に抑えられるため Lebesgue の収束定理が
使えて,上の極限は0になります.

\medskip
[4]
$(0,1)$ を $n$ 等分し,それぞれの開区間の特性関数を左から
順に並べます.これを$n$を増やしながら順に並べていけば
欲しいものができます.正解者は基本的にすべてこのパターンでした.

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[5]
$\sin^2 x$ のところを $e^{\pm ix}$ を使って展開すると,
計算すべき式は
$\displaystyle\int_{-\infty}^\infty \frac{e^{\pm2ix}}{1+x^2}\;dx$
です.留数を使って計算しますが,積分路は原点中心,半径$R$の半円で,
上半平面に含まれるもの,下半平面に含まれるものを使い,
$R\to\infty$ とします.これで答えは
$\pi(1-e^{-2})/2$ になります.

この授業では Fourier 変換を用いて,留数計算を使わない方法も
示します.

\end{document}