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\centerline{解析学特別演習II・小テスト解答解説 (1)}
\rightline{2011年10月24日}
\rightline{河東泰之(かわひがしやすゆき)}
\rightline{数理科学研究科棟323号室(電話 5465-7078)}
\rightline{e-mail yasuyuki\@ms.u-tokyo.ac.jp}
\rightline{{\tt https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/\~{}yasuyuki/}}

\bigskip
最高点は100点(2人),平均点は34.9点でした.
略解をつけます,これはかなり省略してあるので,できなかった人は
よく考えて復習してください.

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[1] すべて「ある」.一例は次の通り.

(1) $0 < |x|\le 1$ のとき,$f(x)=\dfrac{1}{\sqrt x}$, その他のとき
$f(x)=0$.

(2) $|x|\ge 1$ のとき,$f(x)=\dfrac{1}{x}$, その他のとき
$f(x)=0$.

(3) $g(x)=\max(1-|x|,0)$ とおいて $f(x)=\sum_{n=1}^\infty g(n(x-n))$.

(4) $f(x)=1/\log(x^2+2)$.

\bigskip
[2] $0 < |x|\le 1$ のとき,$g(x)=\dfrac{1}{\sqrt x}$, その他のとき
$g(x)=0$とおく.$f(x)=
\displaystyle\sum_{n=-\infty}^\infty \frac{1}{n^2+1}g(x-n)$
とすれば,$L^1(\R)$ の元だが,
$y$ が整数のところで問題の積分が可積分でなくなる.

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[3] (1) $|t|\le1 $で考えればよく,そのときすべての
$f-f_t$ の台を共通に含む有界閉区間がある.そこで考えれば,
$f_t\to f$ は一様収束なので,極限と積分の順序交換ができる.

(2) 任意の $\e>0$ に対し,$g\in C_0(\R)$ を $\|f-g\|_1 < \e$ と
なるようにとる,$g$ について(1)が使えばよい.

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[4]  完備性以外は簡単.完備性もよくある論法でどの本にも出ている.

\bye