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\define\R{\bold R}
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\define\T{\bold T}
\define\e{\varepsilon}
\def\lan{\langle}
\def\ran{\rangle}
\def\supp{\text{supp}}

\centerline{解析学VI期末テスト}
\rightline{2011年2月14日}
\rightline{河東泰之(かわひがしやすゆき)}
\rightline{数理科学研究科棟323号室(電話 5465-7078)}
\rightline{e-mail yasuyuki\@ms.u-tokyo.ac.jp}
\rightline{{\tt https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/\~{}yasuyuki/}}
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この試験は自筆ノート持ち込み可で行います.本,コピー等は不可です.
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以下,実数 $x$ に対し,$x$ を超えない最大の整数を$[x]$ と書く.

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[1] $L^1({\bold R})$ において,$f,g$ は $0$ ではないが,
$f*g$ は $0$ となることがあるか.理由をつけて答えよ.
ただしここで $0$ とはベクトル空間 $L^1({\bold R})$ における
$0$ 元のことである.

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[2] $\bold R$ 上の関数 $\dfrac{1-x^2}{(1+x^2)^2}$ の Fourier 変換
を求めよ.

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[3] $2$ 以上の整数 $k$ と $x\in[-\pi,\pi]$ に対し,
$$f_k(x)=2\sum_{n\in\bold Z,n\neq0}\frac{(-1)^n}{n^k}
e^{inx}$$
とおく.授業で $f_2(x)=x^2-\pi^2/3$ であることを示した.このとき
次の問いに答えよ.

(1) $k$ ごとに,有理数 $p_0,p_1,\dots,p_{[k/2]}$ が存在して
$$f_k(x)=i^k \sum_{m=0}^{[k/2]} p_m \pi^{2m} x^{k-2m}$$
となることを示せ.

(2) $\dsize\frac{1}{\pi^{2k}}\sum_{n=1}^\infty\frac{1}{n^{2k}}$
は有理数であることを示せ.

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[4] 実数 $x$ に対し,関数 $(-1)^{[x]}$ を ${\bold R}$ 上の
緩増加超関数と思ったものを $T$ と書く.$T$ の Fourier 変換を求めよ.

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[5] 以下,$\bold R$ 上の Lebesgue 測度を考えており,ほとんどいたるところ
一致する関数は同一視する.

(1) $\bold R$ 上の $L^1$ 関数 $f$ で,$f*f=f$ を満たすものをすべて求めよ.

(2) $\bold R$ 上の コンパクト台超関数 $T$ で,$T*T=T$ を
満たすものをすべて求めよ.

(3) $\bold R$ 上の $L^2$ 関数 $f$ で,$f*f=f$ を満たし,定数関数 $0$ とは
異なるものの例を一つ挙げよ.

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[6] 正の整数 $n$ と実数 $x$ に対し,$f_n(x)=\exp(-n|x|)$ とおく.
$f_1*f_2*\cdots *f_n$ はどの Sobolev 空間 $H^s({\bold R})$ に入るか,
答えよ.

\bye