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\def\ran{\rangle}
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\centerline{解析学特別演習II・小テスト解答解説 (7)}
\rightline{2011年1月24日}
\rightline{河東泰之(かわひがしやすゆき)}
\rightline{数理科学研究科棟323号室(電話 5465-7078)}
\rightline{e-mail yasuyuki\@ms.u-tokyo.ac.jp}
\rightline{{\tt https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/\~{}yasuyuki/}}
\bigskip

最高点は85点(1人),平均点は51.1点でした.
簡単な解説をつけます.

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[1] 答えはいくらでもありますが,
たとえば,$T=\delta_1-\delta_0$ とおけばO.K.です.

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[2] (1) 定義通りやればできます.

(2) Yes です.$x$ がコンパクト集合を動くとき,$\varphi_k(x-y)$ の
$y$ の関数としての台は,ある共通のコンパクト集合に含まれます.
そのため,$\langle T, \varphi_k(x-y)-\varphi(x-y)\rangle$ について
$k$ によらない評価ができるので,$(T*\varphi_k)(x) \to (T*\varphi)(x)$
のコンパクト集合上の一様収束が出ます.偏微分についても同じ論法が
使えるので,${\Cal E}({\bold R}^n)$ における収束が導かれます.

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[3] まず,$\log|x|$ の超関数としての微分が p.v. $\dfrac{1}{x}$ であることが
チェックできます.これを使うと,
$$(\log|x|)'*\chi_{[-1,1]}=(\log|x|)*(\chi'_{[-1,1]})
=(\log|x|)*(\delta_{-1}-\delta_1)=\log\left|\dfrac{x+1}{x-1}\right|$$
となります.最後の式は,局所可積分関数なので,それを
超関数と思ったもののことです.これが答えです.

形式的に,$\dfrac{1}{x}$ を使って積分するとこの答えになりますが,
$\dfrac{1}{x}$ は可積分でないので,これでは証明として不十分です.

\bye