\magnification=\magstep1
\documentstyle{amsppt}

\NoBlackBoxes
\nopagenumbers
\define\C{\bold C}
\define\R{\bold R}

\centerline{2001年度解析学XD・スペクトル理論演習問題}
\rightline{2002年1月16日}
\rightline{河東泰之}

\bigskip
以下の番号の問題の中から7題解いて,レポートを提出してください.

[2], [4], [7], [8], [10], [14], [18], [23], [29], [30], [31]

締め切りは1/28(月),提出先は1階事務室です.
(その他の番号の問題は単に練習のためのものです.)

\bigskip [25]
Hilbert空間$H$上の有界線型作用素$T$は,$H$で弱収束を
考えた空間からそれ自身への写像として連続であることを
示せ.

\bigskip [26]
$B(H)$の閉じた両側イデアルで,0でないものは,$K(H)$を含む
ことを示せ.

\bigskip [27]
可分な無限次元Hilbert空間$H$の完全正規直交系を2組
取って,$\{e_n\}_n$, $\{f_n\}_n$とする.
$T\in B(H)$について,
$\sum_{n,m=1}^\infty |(Te_n, f_m)|^2$
は,$\{e_n\}_n$, $\{f_n\}_n$の取り方によらないことを
示せ.(これが有限な作用素全体が,Hilbert-Schmidt classで
ある.授業では,$e_n=f_n$として,かつ一組固定していた.)

\bigskip [28]
$D=\{z\in \C\mid |z|<1\}$とおき,
$$H=\{f(z)\mid \hbox{$D$上の正則関数で}
\int_D |f(x+iy)|^2\;dxdy<\infty\}$$
として,$f,g\in H$に対し,
$$(f,g)=\dsize\int_D f(x+iy)\overline{g(x+iy)}\;dxdy$$
とおく.

(1) この内積で$H$はHilbert空間になることを示せ.

(2) $T:f(z)\mapsto z^2f(z)$は,$H$上のFredholm operator
になることを示せ.そのindexはいくらか.

\bigskip [29]
$\ell^2$上の有界線型作用素,$T$を
次のように定める.
$$T(x_1, x_2, x_3,\dots)=
(0,\frac{1}{1}x_1, \frac{1}{2!}x_2, \frac{1}{3!}x_3,\dots).$$
この作用素のスペクトルを求めよ.

\bigskip [30]
$[0,1]$上の実数値連続関数$f(x)$を固定し,
$L^2(0,1)$上の$f$による掛け算作用素を$A$とする.
$A$のスペクトル分解に現れる$E(\lambda)$を具体的に記述せよ.

\bigskip [31]
自然数$n$について,$L^2(\R)$の部分空間$X_n, Y_n$を次のように
定める.
$$\align
X_n&=\{f\in L^2(\R)\mid f\text{は}[-n,n]
\text{の外ではほとんどいたるところ
0に等しい}\},\\
Y_n&=\{f\in L^2(\R)\mid \hat f\in X_n\}.\endalign$$
ただしここで,$\hat f$は$f$のFourier変換を表す.
さらに,$X=\dsize\bigcup_{n=1}^\infty X_n$, 
$Y=\dsize\bigcup_{n=1}^\infty Y_n$とおく.

このとき,$X, Y$はともに$L^2(\R)$の稠密な部分空間で,
$X\cap Y=\{0\}$となることを示せ.

\bye