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\baselineskip 14pt

\centerline{解析学XH/基礎数理特別講義Vの内容について}
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\rightline{河東泰之(かわひがしやすゆき)}
\rightline{yasuyuki\@ms.u-tokyo.ac.jp}

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講義の時間は毎週金曜10:40〜12:10です.

この講義は作用素環論に関するもので,具体的には
factor(と呼ばれる作用素環)の自己同型のConnesによる
分類とその発展を取り扱います.作用素環論の基礎的な予備知識は
仮定します.

この種の分類理論は1970年代半ばに成立したものであり,
1982年のConnesのFields賞の受賞業績の一つですが,
現在でも作用素環論におけるさまざまな分類理論のお手本と
なっており,その影響力はまったく衰えていません.その内容を
II$_1$ factorの基礎事項を仮定した上で,初歩から解説したい
と思います.内容としては,竹崎正道「作用素環の構造」
(岩波書店)のVII章\S1, \S2, \S4, IX章\S1, \S2, \S3にあたる
ことが中心になります.

具体的な講義の内容は以下のように予定しています.

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\noindent
(1) II$_1$ factorの例と基本性質(簡単な復習)

\noindent
(2) Hyperfinite II$_1$ factorの一意性

\noindent
(3) Ultraproductとnon-standard analysis

\noindent
(4) Central sequenceとMcDuff factor

\noindent
(5) Rohlinの定理とその非可換版

\noindent
(6) Outer conjugacyによる自己同型の分類

\noindent
(7) 群作用の分類への拡張

\noindent
(8) III型factorの場合について

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成績は講義中に出す問題に対するレポートでつけます.

4/11(金)はデンマーク出張のため休講にして,4/18(金)から
始めます.7/4も海外出張のため休講の予定です.これらについては
補講を行います.その日程については後日相談して決めます.

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