河東泰之の2009年度研究概要

部分因子環の Jones 指数の取りうる値については,1980年代から多くの研究が あり,一般の部分因子環の場合については,4以下で 4cos2π/n, n=3,4,5,... の形の値を取り,4以上の値はすべて取りうるということ がわかっている.共形場理論を作用素環の立場から研究するときの対象は, 局所共形ネットという作用素環の族であるが,部分因子環のなす 局所共形ネットについて,Jones 指数の取りうる値を決める問題を Carpi, Longo と共に考えた.任意の自然数の値が実現可能であることは 簡単にわかるが,それ以外の値については,一般の部分因子環の場合より, ずっと強い制限がつき,最小の値は,4cos2π/10, 次の値は 3+31/2 であることを示した.これに関連して,A-D-E 型 部分因子環について,Dynkin 図形の偶頂点に対応する対象たちが どのような braiding を持ちうるかを完全に決定した.

境界共形場理論,超共形場理論の作用素環的研究も続行した.

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