河東泰之の2003年度研究概要

Longo とともに,論文[40]において,作用素環の2次元共形ネットの分類を 行った.Central charge が基本的な不変量であるが,この値が1未満の ケースについて,parity symmetry を持ち,包含関係について極大である ものを完全に分類し,A-D-E Dynkin 図形のペアによるラベル付けを 行った.Parity symmetry と極大性についての条件は,\mu-index が1 という条件にも言い換えられる.また,central charge が 1未満である 限り,この条件を落とした分類も可能であるが,単に組み合わせが複雑になる だけである.これは,前に Longo と論文[36]でやっていた1次元のネットの分類 を推し進めたものであり,tensor category についての 2-cohomology 消滅 が key になる.この cohomology 消滅によって,[36] では vertex operator algebra を引用して済ませていたある種の代数系の一意性も, 作用素環論的に証明できることになった.

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