河東泰之の2001年度研究概要

S^1 上の net of subfactors { N(I) \subset M(I) }_{ I \subset S^1 } を考え,S^1 を4つの区間 I_1, I_2, I_3, I_4 に反時計回りに分割して subfactor M(I_1) \vee M(I_3) \subset (N(I_2) \vee M(I_4))', および M(I_1) \vee M(I_3) \subset (N(I_2) \vee N(I_4))' を作る.これは, 論文[30]の構成の「相対版」である.論文[35]の後半において,これらが, \alpha^+ induction, および\alpha^\pm induction から生じる M(I) 上の既約自己準同型のシステムから作られる Longo-Rehren subfactor に一致することを示した.論文[35]の前半の結果より,これらは, \alpha^\pm induction から生じる modular invariant による,generalized Longo-Rehren subfactor の dual でもある.

また,S^1上の共形場理論を作用素環的に考えたものについて,「運動群」 が微分同相写像群である場合は,実数に値を持つ不変量 "central charge"が定義できること, それが1未満の場合については,A-D-E 型 Dynkin 図形の対を 不変量とする完全分類ができることを,Longoと論文[36]で示した. この結果には,[29], [31], [32]における modular invariant の 作用素環論的研究をフルに用いる.これは,SU(2), SU(3)の有限部分群 の作用素環論的研究の類似を Virasoro 代数の表現のなすカテゴリーに ついて考えたことになっている.

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