河東泰之の2000年度研究概要

作用素環Mと部分環Nの組に対し,braidingを使って, 部分環の自己準同型を大きい環に 延長する手法であるalpha-inductionについて引き続き研究を行った.

alpha-inductionから生じるendomorphismのsystemについて,その "quantum double"を昨年[32]で研究した.その際に,Rehrenが2000年に 導入したいわゆるgeneralized Longo-Rehren subfactorについて,それと 同じcanonical endomorphismが,alpha-inductionのあとに通常の Longo-Rehren constructionを適用することによっても得られることを 示した.今年はそれを推し進め,braidingが非退化な時は, alpha-inductionのあとに通常の Longo-Rehren constructionを適用してさらにdualに移ったsubfactorと, 最初から,generalized Longo-Rehren subfactorを作ったものは同型で あることを証明した.またさらに,この結果で自己同型の延長を テンソル因子の「片側」に制限して, modular invariantの代わりにchiral branching coefficientを係数に 使っても同様の結果が得られることも示した.さらに,Bockenhauer-Evans のparent type I modular invariantも同様の枠組みで捉えられることも 示した.

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