「可視的な作用と重複のない表現」
広島大学談話会
同じ表現が高々1度しか現れない表現を「重複のない表現」という。あまりに当たり前すぎて、普段は表現がそこに現れることさえ意識しない 古典的な展開定理(Taylor 展開や Fourier 展開や球関数展開…)においても、 実は、背後には「重複のない表現」という代数構造がしばしばある。
談話会では、まず「重複のない表現」の種々の例を紹介する。
次に、実部分多様体と軌道の交叉の状況に着目して「複素多様体における 可視的な群作用」という概念を提唱する。
最後に、種々の「重複のない表現」が、有限次元の場合だけでなく、連続 スペクトラムを含むような無限次元の場合にも、「可視的な作用」という一つ の原理で統一的に理解・発見できることを解説する。
© Toshiyuki Kobayashi