On Discontinuous Groups Acting on Pseudo-Riemannian Homogeneous Spaces,
Joint seminar of Topology-Lie Groups and Representation Theory, the University of Tokyo, Japan, 11 May 1999.

「擬リーマン等質多様体における不連続群」
トポロジー-リー群論・表現論 合同セミナー,1999年5月11日

  1. 擬 Riemann 等質多様体への離散群の作用が固有不連続になるための判定条件
  2. コンパクト Clifford-Klein 形の存在問題
  3. 高次元擬リーマン コンパクト Clifford-Klein 形の連続変形の一例
擬 Riemann 多様体に等長変換として作用する離散群は必ずしも固有不連続に作用 しない.特に,離散群による商空間は必ずしも Hausdorff ではない.この事実 は,局所的に擬 Riemann 等質多様体と同型であるような多様体の基本群には強い 制約があることを示唆している。 例えば, 定曲率ローレンツ多様体の基本群の 有限性を与える Calabi-Markus 現象(1962, Ann. Math.)はその1例である.(1) では, 等長変換群の固有不連続性の判定条件を半単純リー群の構造を用いて証明する。

次に,固有不連続かつ自由な作用が与えられたとき,その離散群による商空間は 自然に多様体の構造をもつ.この多様体を Clifford-Klein 形と呼ぶ. Riemann 対称空間には常にコンパクトな Clifford-Klein 形が存在する(Borel). 一方,擬 Riemann 等質空間にはコンパクトな Clifford-Klein 形が存在する場合も 存在しない場合もある.その判定条件は未解決問題であるが,十分条件を与える.

最後に,不連続群の変形について触れたい. 既約 Riemann 対称空間のコンパクトな Clifford-Klein 形で連続変形できるのは, 2次元,すなわち閉リーマン面の場合に限る(Selberg-Weil の古典的な局所剛性定理). 一方,擬 Riemann 対称空間では高次元でも連続変形できる不連続群が存在する. (1) の判定条件を援用して,局所変形の量的評価が与えられることに触れたい.

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© Toshiyuki Kobayashi