第5回高木レクチャー招待講演
平成20年10月4日(土)12:10--13:10
10月5日(日)10:50--11:50
東京大学大学院数理科学研究科大講義室


ホロノミックD加群と正標数
Maxim Kontsevich
(Institut des Hautes Études Scientifiques)


Abstract

正標数への還元にもとづいて, 量子的代数(微分作用素の代数,量子トーラスなどが例) 上のホロノミック加群を,対応するシンプレクティック多様体の ラグランジュ部分多様体に対応させる,新しい描像を述べる. 1変数の場合には,この描像は具体的に計算可能で,大変初等的である. 特に,新しい「超越的」な表示(行列式のたぐい)で,クリスタルコホモロジー と関係がある可能性があるものが,得られる. この新しい対応は,可積分系や関数体のラングランズ双対性の高次元への 一般化と関係しているとも思われる.