第26回高木レクチャー
令和8年6月6日(土)14:50--15:50
令和8年6月7日(日)10:50--11:50
京都大学数理解析研究所
大講義室420号室


3次元カラビ・ヤウ多様体の数え上げ幾何学

Kai Behrend
(University of British Columbia)

Abstract
3次元カラビ・ヤウ多様体は、曲線の数え上げ幾何学の自然な舞台である。素朴な次元の評価によれば、曲線の数え上げは有限な値と思われるが、実際の幾何はずっと入り組んでいて、この30年に渡り精力的な研究がなされてきた。この講演では、1990年代のグロモフ・ウィッテン理論の出現、ミラー対称性から始めて軸となる重要な進展に焦点を当てる。特に興味深いのは、2000年代になってから現れたドナルドソン・トーマス理論で、それは導来シンプレクティク幾何学の発見や圏論的不変量の導入に繋がるものであった。最近の最も重要な進展は、ジョン パードンによるMNOP予想の証明である。それは、グロモフ・ウィッテン理論とドナルドソン・トーマス理論根本的な同値性を確立し、3次元カラビ・ヤウ多様体内の曲線の数え上げ理論の完全な分類を与えるものである。