2019年6月8日(土) 11:30--12:30,15:20--16:20 |
京都大学数理解析研究所大講義室420号室 |
Abstract
カッツ・ムーディーやヴィラソロなどの無限次元のリー環は、代数曲線に付随する様々なモジュライ空間を統制します。曲線から高次元の多様体に拡張しようとすると、導来幾何学の枠組みの中で考えることが必要になります。これは、古典論の中で高次元化で失われる多くの特徴が、導来的な(コホモロジー的な)枠組みの中では復活できるからです。
この講義は3つの部分から成ります。
(1) 導来幾何学と、失われる特徴が復活するという現象のレビュー。
(2) $n$変数における、(一点に極をもつ)ローラン級数体の導来類似、対応する高次元のカレント代数と、そのG-主束の導来モジュライ空間との関連(G. FaonteとB. Hennionとの共同研究に基づきます)。
(3) ベクトル場の導来リー環と、その中心拡大、コホモロジー。コホモロジーの研究における因子化代数の役割(B. Hennionとの共同研究に基づきます)。