K.-H. Neeb
Abstract: この総説論文では,局所凸線型位相空間をモデルとする無限次元リー群に関する“リー理論”の基本問題 ― 部分リー代数がいつ部分リー群にもちあがるか,部分リー代数の拡大がいつ部分リー群の拡大にもちあがるかなど ― の現状報告を行う.
さらに,“リー理論”の基本問題を考察する際に,(無限次元)リー群の正則性や指数写像の局所的な存在が,かなり有効な手法になることを説明する.
リー群の帰納極限や滑らかな写像のなす群や,微分写像のなす群などは無限次元リー群の典型例である.これらの例を用いながら,抽象的な主結果の解説を行う.