変分ポアソン・コホモロジー
A. デソーレ,V.G. カッツ
Abstract:
二つのハミルトニアン作用素の一つの,対応する第1変分ポアソン・コホモロジー
の正確な情報がわかっていれば,バイ・ハミルトニアン偏微分方程式の可積分性の
いわゆるレナード・マグリ・スキームの正しさは良く知られている.
この論文の第一部では超リー代数,ポアソン・コホモロジー複体,基本および被約
リー共形代数,ポアソン頂点代数コホモロジー複体を含む種々のコホモロジー複体の,
普遍超リー代数,超リー共形代数を用いた導入法を説明する.
もっとも関連の深いものは基本および被約ポアソン頂点代数コホモロジー複体の
ある種の部分複体であり,我々はそれを(標準的ではない方法で)一般ドラーム複体,
一般変分複体と同一視する.第二部では一般ドラーム複体のコホモロジーを計算し,
長完全列の詳しい解析を通じて,可逆な主係数を持つ任意の擬定数係数ハミルトニアン
作用素に対する一般変分複体のコホモロジーを計算する.
後者のためには,付録で展開するある微分線形代数を用いる.