Japan. J. Math. 4, 95--120 (2009)

弦理論から見た幾何学

大栗博司

Abstract:
物理学者の視点から位相的弦理論についての入門的概観を与える.理論の定義か ら入り,グロモフ・ウィッテン不変量との関係を説明する.キィレンのアノマ リー公式を一般化する,BCOV正則アノマリー方程式を使うと,理論の分配関数の 種数の高い項を計算することができる.開・閉弦双対性は,閉位相的弦理論を チャーン・サイモンズ・ゲージ理論や,ランダム行列模型に関係させることがで きる.位相的弦理論の応用として,D-ブレインの束縛状態の数え上げ問題を議論 する.


第4回高木レクチャー招待講演.