多項式写像の位相的分類問題を巡って 一つのサーベイ
B. エル ヒラニー
Abstract:
多項式写像の位相幾何学の研究の源流は,ヤコビアン予想などアフィン幾何学の問題や1950年代から70年代にかけてのホイットニー,トム,マザーによる滑らかな写像の微分同相類に関する研究などにある.この時期に,次数は一定であるが,それぞれが異なる位相型を持つような実多項式写像の $1$ 径数族の有名な構成をトムは発見した.ここで,写像の位相型が同じであるとは,定義域,終域の同相写像の合成を除いて写像が等しいこととする.
トムは,各 $(n, d)$ に対して,$n$ 変数の(複素あるいは実の)$d$ 次多項式関数のどんな族にも高々有限個の位相型しか現れないことも予想した.その後すぐに,1970,80年代の何人かの数学者による結果を合わせることで,この予想は解決され,然るべき状況では多項式写像について一般化も示された.
このサーベイでは,多項式写像の位相についての研究の最前線につながる 1950年代から現在に至るまでの重要な成果に注目して,この問題に関わる歴史的な事情を概観する.多項式写像の位相的分類問題に焦点を当てる.この分類問題の視点から,他のいくつかのアフィン幾何学での有名な問題への平易な入門も含める.