アフィン頂点代数の極小W代数への共形埋め込み:分解
D. アダモヴィッチ,V.G. カッツ,P. メーゼネーダー フライリア,P. パピ,O. ペルシェ
Abstract:
極小単純アフィンW代数 Wk(g∗,θ) を,共形レベル k における,すなわち Wk(g∗,θ) の Vk(g♮) のヴィラソロベクトルが等しいときに,その極大アフィン部分代数 Vk(g♮) に対するモジュールとしての明示的な分解を計算する方法を示す.特にアフィン・フュージョンルールの分岐則の決定への応用を強調する.g♮ が半単純環である時はほとんどすべての場合について,適当な共形レベル k について Wk(g∗,θ) は Vk(g♮) の単純モジュールによる拡大に同型なことを示す.ある場合には Wk(g∗,θ) はVk(g♮) の単純カレント拡大であること示すことができる.ある種の共形レベルにおいてより複雑な,非単純カレント拡大の場合を解析するため,k=−8/3 の場合の単純W代数 Wk(sl(4),θ) の明示的な実現を与える.[3]で予想されたように,Wk(sl(4),θ) は頂点代数 R3 に同型であることを証明し,スクリーン作用素を用いて無限個の特異ベクトルを構成する.さらに頂点代数 Vk(sl(n)) に対しある許容的なレベルで,また Vk(sl(m|n)), m≠n, m,n≥1 に対し任意のレベルで,単純カレントモジュールの新しい族を構成する.