有理的微分作用素が可積分系を生成するための十分条件
S. カーペンティア
Abstract:
有理的微分作用素 L=AB−1 に対し,可積分性のレナード・マグリ・スキームとは関数 Fn,n≥0 の列であって (1) すべての n≥0 についてB(Fn+1)=A(Fn) を満たし,(2) 関数 B(Fn) が互いに交換するものである.条件(1)が成り立ち,B(Fn) の微分階数の集合が非有界であるという仮定の下で,我々は条件(2)の必要十分条件は,L が,我々が可積分と呼ぶ有理作用素のクラスに属することであることを示す.さらに有理作用素 L が弱非局所的であり,関数環の偶奇部分へのある種の分離を保つときには,Ker B の任意の関数から出発してそのような列 (Fn) をいつでも見つけられることを示す.この結果は,再帰的作用素のメカニズムについてのある洞察を与え,それは対応する可積分方程式のヒエラルキーをエンコードする.