Japan. J. Math. 10, 43--96 (2015)

有限群に対するマッキーの $\tau$ 共役表現の理論

T. Ceccherini-Silberstein, F. Scarabotti, F. Tolli

Abstract:
この論文の目的は,バンプとギンズバーグによって一般化された,対合的反自己 同型(たとえば $g\mapsto g^{-1}$)を持つ有限群の表現論についてのマッキーの 二つの貢献を,川中と松山のもっと新しい結果と共に解説することである. マッキーの第一の貢献は,弱対称ゲルファント・ペアのいわゆるゲルファント判定 条件の詳しいものである.マッキーの第二の貢献は(ウィグナーによって導入され た概念である)単純可約群の特徴づけである.もう一つの結果は,フロベニウ ス・シューアの定理のひねったバージョンであり,ここでひねったというのは上 述の対合的反自己同型のことを言っている.