流体若手夏の学校2002のご案内
-力学系としての流体力学-
本年度の夏の学校は、日本流体力学会からの援助を頂いています。
本ページは、趣旨に添ったものであれば、ご自由にリンクして頂いて結構です。(2002年7月16日公開)
流体若手夏の学校2005
ながれ「流体若手夏の学校2002-力学系としての流体力学-(PDF)」
主な更新履歴
2003年1月31日 ながれへの報告(PDF)
2002年7月28日 交通
2002年7月27日 スケジュール案作成
2002年7月23日 参加予定意思表明頂いた方のご身分、学年リスト作成
例年北海道から九州に渡って、参加頂いております流体若手夏の学校ですが、
本年度は、講師に、乱流方面から河原 源太先生、気象方面から向川 均先生をお迎えして、
力学系の取り扱いを意識した講義をお願いし、日程場所等は、以下の様に行うことに決まりました。
また、前泊することでゆとりを持って議論しようという動機で前泊企画を行います。
ご都合のつく方は、前泊企画からご参加下さい。
分野を問わず、多くの皆様のご参加を心からお待ちしております。
概要
- 日程1:2002年9月 9日(月)昼〜12日(木)午後(3泊4日:前泊企画含)
- 日程2:2002年9月10日(火)昼〜12日(木)午後(2泊3日:前泊企画なし)
- 講師 :河原 源太先生(京都大院工)、向川 均先生(京都大防災研究所)(五十音順)
- 場所 :神奈川県箱根芦ノ湯温泉 きのくにや
- 会費 :3万円/2万円(3泊9食/2泊6食、諸費用)
- 対象 :流体力学、非線型力学周辺に興味を持つ若手研究者(:=自分は若いと思っている研究者)
- 締切 :8月7日(水)(締切後でもお申し込みご希望の方はご相談下さい)
詳細(決定次第追加していきます)
本夏の学校の柱は、最先端で活躍されている先生方による講義に加え、
活発な議論、若手間交流にあります。その一貫として参加される皆様には、
研究に関する何らかのポスターを用意して頂きます。
テーマは、研究成果、研究中のものに限らず、現在行き詰まっている研究や
今後の研究予定、興味のある論文の紹介等も大歓迎です。
特に前泊企画においては、このポスターを題材にして議論を深めて頂く予定です。
- 前泊企画
若手研究者の間で、十分な議論を行うことを目的とした企画です。
時間に余裕のある方は、前泊企画からご参加下さい。
- 日程:2002年9月9日(月)泊
- 対象:全国の若手研究者の方々とより多くの議論をしたい方
- 内容:ラフなポスターセッション(自由討論)を中心に行う予定です
- メイン企画
- 講義
河原先生、向川先生にそれぞれ約4時間づつ予備知識をあまり仮定せずに最新の話題まで講義して頂きます。
- 「乱流中の秩序構造をどう捉えるか」(河原源太先生)
乱流中の秩序構造は,運動量やエネルギーの輸送,乱れの再生・維持,そして間欠性の発現などに深く関与するものと考えられている.また,それは,乱れの時空間構造の簡潔な表現として,乱流自身の理解にも有用な概念であると期待される.だが,「乱れの中の秩序」という一見矛盾した存在をどう捉えるかは,乱流力学に果たす秩序構造の役割を本気で理解しようと思ったとき,避けては通れない問題である.本講義では,この秩序構造をいかにして捉え得るかを主題とし,講演者らが最近取り組んでいる Navier-Stokes 方程式の周期解や平衡解による時空間秩序記述の試みなどを紹介したい.
参考文献
平衡解に基づく秩序構造の議論としては
- T. Itano & S. Toh 2001
The dynamics of bursting process in wall turbulence.
J. Phys. Soc. Jpn. 70, 701-714.
- F. Waleffe 2001
Exact coherent structures in channel flow.
J. Fluid Mech. 435, 93-102.
がある.周期解を用いた秩序構造や乱流統計量の記述としては
- G. Kawahara & S. Kida 2001
Periodic motion embedded in plane Couette turbulence:
regeneration cycle and burst.
J. Fluid Mech. 449, 291-300.
がある.なお,秩序構造の解説論文としては
- A. K. M. F. Hussain 1986
Coherent structures and turbulence.
J. Fluid Mech. 173, 303-356.
- S. K. Robinson 1991
Coherent motions in the turbulent boundary layer.
Annu. Rev. Fluid Mech. 23, 601-639.
などが挙げられる.
- 「力学系理論を援用した対流圏季節内長周期変動の力学と予測可能性に関する研究」(向川均先生)
対流圏中高緯度に発生する異常気象は,準定常性,持続性,再現性を持つ特徴的な対流圏循環パターンを伴っている.これらのパターンは,「天候レジーム」と呼ばれ,その中には,その発生・維持機構が未解明のブロッキング現象も含まれている.この講義では,まず,天候レジームに関する観測的研究を紹介した後,非線型力学系理論の観点から,天候レジームの力学について解説を試みる.また,天候レジームの予測可能性についても言及する.
参考文献
- Legras, B., and M. Ghil, 1985: Persistent anomalies, blocking and
variations in atmospheric predictability. J. Atmos. Sci., 42,
433--471.
- Mukougawa, H., 1988: A dynamical model of ``quasi-stationary'' states
in large-scale atmospheric motions. J. Atmos. Sci., 45,
2868--2888.
- Mukougawa, H., M. Kimoto, and S. Yoden, 1991: A relationship between
local error growth and quasi-stationary states: Case study in the
Lorenz system. J. Atmos. Sci., 48, 1231--1237.
- Kimoto, M., and M. Ghil, 1993: Multiple flow regimes in the northern
hemisphere winter. Part I: Methodology and hemispheric regimes.
Part II: Sectorial regimes and preferred transitions.
J. Atmos. Sci., 50, 2625--2673.
- Itoh, H., and M. Kimoto, 1997: Chaotic itinerancy with preferred
transition routes appearing in an atmospheric model. Physica, D109,
274-292.
- その他
若手研究発表、懇親会、その他
スケジュール案
9月9日(月)
- 12:00-13:00 集合
- 13:30-18:00 ラフなポスターセッション&自由討論
- 18:30-19:30 夕食
- 19:30- 自由討論(懇親会?)
9月10日(火)
- 8:00-8:30 朝食
- 9:30-12:00 ラフなポスターセッション&自由討論or企画(募集中)
- 12:00-13:00 昼食(前泊から参加の方)、集合(メイン企画のみの参加の方)
- 13:30-18:00 講義(向川先生)
- 18:30-19:30 夕食
- 21:00-23:00 懇親会
9月11日(水)
- 8:00-8:30 朝食
- 9:30-12:00 若手研究発表(ラフなポスターセッション?)
- 12:00-12:30 昼食
- 13:30-18:00 講義(河原先生)
- 18:30-19:30 夕食
- 19:30- 自由討論(懇親会?)
9月12日(木)
- 8:00-8:30 朝食
- 9:30-12:00 若手研究発表(ラフなポスターセッション?)
- 12:00-12:30 昼食
- 13:30-15:00 若手研究発表(ラフなポスターセッション?)
- 15:00 解散
若手研究発表の時間は参加人数により変更の可能性が大いにあります。
メイン企画のみ(2泊)の参加の方が10日(火)の午前中から参加するといった希望も
受け付けます。
交通 (適宜アップしていきます)
JR東海道新幹線、東海道本線小田原駅からバス45分,1000円
(3,5番乗り場:元箱根行、箱根町行、芦ノ湯下車(バスは1時間に4,5本あり))
- はこねの手引き(交通機関他)
- 駅前探検倶楽部
- 宿泊のきのくにやまでの交通、交通欄選択
お申し込みは、以下の申し込みフォーマットを埋めて、E-mailで
wakate2002@ms357.ms.u-tokyo.ac.jp
まで送付下さい。
数日以内に確認のメールを致します。
締切は、8月7日(水)です。
会費(3万円/2万円)は、郵便口座
口座番号*****-********
流体若手夏の学校 代表 斉木 吉隆
に8月末日までにお振り込み下さい。
参加される可能性がある方は、人数把握の都合上、参加の可能性ありという旨のメールだけでも、出来る限り早目に頂けるとありがたいです。
参加予定意思表明頂いた方のご身分、学年リスト
申し込みフォーマット(以下をカットアンドペーストでメールに貼りつけご記入下さい。)
- 氏名 :
- 所属 :
- 身分 :
- 住所 :
- 電話 :
- E-mail :
- 宿泊 : (3泊/2泊)不要な方を消して下さい
- 研究内容及び興味:キーワードを並べる程度の簡潔なもので結構です
- 交通経路 : 羽田空港経由/新幹線小田原駅/新幹線熱海駅/小田急ロマンスカー/乗用車等のご予定
- その他 : 企画の提案やその他要望等がありましたらご記入下さい
他の参加希望者の便宜のため、web上に参加予定者氏名、所属、身分をアップする場合もあることを御承知おき下さい。アップを希望されない方は、その旨をお伝え下さい。
本年度の流体若手夏の学校は、東京大学数理科学研究科とその他流体若手研究者有志の皆様のご協力により開催されます。
お問い合わせ先
東京大学大学院数理科学研究科
流体若手夏の学校2002 代表 斉木 吉隆 (博士課程1年:saiki@ (@以降は ms.u-tokyo.ac.jp))
東京都目黒区駒場3-8-1
Phone: 03-5465-8283
E-mail: wakate2002@ms357.ms.u-tokyo.ac.jp(事務局)
できれば事務局宛のE-mailでお問い合わせ下さい。