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, TeX のページへFebruary 21, 2002
角藤氏による Web2C 7.5.2 (pTeX-3.1.2 etc. for Win32) および、 日本語対応の AFPL Ghostscript 8.00 と GSview 4.3 のインストールの 手順を述べます。
うまくいかない場合は、 角藤氏のサイト や @nifty の FTEX フォーラムによる TeXインストールガイド (推奨)、あるいは奥村さんの 角藤版 pTeX の Windows へのインストール などにヒントがあるかもしれません。
トラブルが解決できない場合は、 インストーラの付属した書籍、例えば、奥村氏や乙部氏等の本 (ここを御覧下さい)をお勧めします。
この角藤氏の TeX システムでは、エディターと dviout との間で相互参照 ができる source specials (dviout for Windows Ver.3.11 以降で対応) が サポートされています。
京大 (現 ソニー) の淺山和典氏によるパッケージ (ptx214-*.zip) を 使って TeX をインストールする手順についても 別の項 に述べてありますが、これは現在では古いバージョンとなりました。
この文書は、堀田氏 および角藤氏によって 最新版に対応するように修正されました。
1. 必要なファイルのダウンロード
2. インストールの実行
3. インストールによりサポートされる TeX など
4. インストール後
角藤氏の W32TeX (Web2C 7.5.2) のサイト にて配布されている以下のファイルから、
必要なファイルをダウンロードします。
以下はより高速にアクセスできるここのミラーにリンクされています。
なお、角藤氏のサイトより高速にアクセスできる
会津大学のmirror などからもダウンロードできます。
Changelog.euc-j 変更履歴 README.sj インストールなどのドキュメント texinst752.zip Web2C-7.5.2 専用の簡易インストーラ( 重要です ) latex.tar.gz 基本システム platex.tar.gz ptex-3.1.2-w32.tar.gz web2c-7.5.2-lib.tar.gz web2c-7.5.2-w32.tar.gz mftools.tar.gz mktexpk, mktextfm, ps2pk dvipsk-w32.tar.gz DVI to PS driver vf-a2bk.tar.gz Virtual fonts for pTeX dvipdfm-w32.tar.gz DVI to PDF driver ltxpkgs.tar.gz Basic packages for LaTeX makeindex-w32.tar.gz makeindex programs manual.tar.gz マニュアル oldformat.tar.gz 旧版 (LaTeX 2.09, pLaTeX 2.09 etc.) oldinputs.tar.gz pdftex-w32.tar.gz pdfTeX (TeX -> PDF) t1fonts.tar.gz Type1 fonts of cm, ams and others timesnew.tar.gz tfm and vf for TimesNewRoman and Arial (PFB) txpx-pazofonts.tar.gz TX fonts, PX fonts and mathpazo fonts ttf2pk-w32.tar.gz TrueType to PK driver plain2-2.54-w32.tar.gz plain2 (テキスト -> LaTeX, HTML, nroff) texinfotools-w32.tar.gz Texinfo 4.5 with Japanese support jtex-1.9.1-w32.tar.gz NTT-jJTeX 1.9.1 vf-n2bk.tar.gz Virtual fonts for NTT JTeX (to be used by dvipsk) gs800-j-wapi.zip AFPL Ghostscript 8.00 の日本語化キット
参考として、角藤氏による TeX システムとしての 必要なファイルを 以下に述べてみます :
(A) 最小インストール latex.tar.gz mftools.tar.gz platex.tar.gz ptex-3.1.2-w32.tar.gz web2c-7.5.2-lib.tar.gz web2c-7.5.2-w32.tar.gz (B) 標準インストール(上記に、次を付け加えます) dvipdfm-w32.tar.gz dvipsk-w32.tar.gz ltxpkgs.tar.gz makeindex-w32.tar.gz manual.tar.gz oldformat.tar.gz oldinputs.tar.gz pdftex-w32.tar.gz t1fonts.tar.gz timesnew.tar.gz txpx-pazofonts.tar.gz vf-a2bk.tar.gz
以下のファイルを、会津大学などの CTAN ミラーサイトから入手します :
gs800w32.exe
= AFPL Ghostscript 8.00 の実行ファイル (5,766KB; 2002/11/21)
gsv43w32.exe
= GSview 4.3 の実行ファイル (1,320KB; 2002/04/30)
gs800-j-wapi.zip
= AFPL Ghostscript 8.00 の日本語化キット (Win32API 版, 1,198KB; 2002/12/20)
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デフォルトのディレクトリ c:\usr\local の下に、 TeX のシステムをインストール することにします。 c: のディスクには 十分の空きがあるものとします。
なお、インストール先は、d:\usr\local などでもOKですが、その場合は以下の記述の c:\usr\local を、d:\usr\local に読み替えるなど、適宜判断してください (ただし、c:\Program Files のように空白を含むディレクトリに入れてはいけません)
注意: pTeX 3.1.2
pTeX (アスキーの日本語の TeX) 関連のファイルの インストール・ディレクトリが pTeX 2.1.9 から大きく変更されました。 例えば、いままで...\texmf\tex\platex\base ...\texmf\tex\ptexにあったものは
...\texmf\ptex\platex\base ...\texmf\ptex\plain\baseに移動しました。
新規にインストールする場合は問題ありませんが上書きインストールする場合は 注意が必要です。具体的には、次のディレクトリを全て削除した上で以下の作業を します (ユーザ自身があとからインストールしたファイルがあれば、 バックアップしておく)
...\texmf\tex\jtex ...\texmf\tex\jlatex ...\texmf\tex\jlatex209 ...\texmf\tex\alatex209 ...\texmf\tex\amstex ...\texmf\tex\ptex ...\texmf\tex\platex ...\texmf\tex\platex209
ダウンロードした W32TeX (Web2C 7.5.2) の必要なアーカイブ・ファイル (foo.tar.gz のようなもの) は全て同一のディレクトリ (たとえば、 c:\temp) に入れておきます。
以下に述べる作業は、MS-DOS プロンプト (Win95/98)、あるいは コマンドプロンプト (WinNT/2000/XP) で行います。 まず、ディレクトリ c:\usr\local を作り、ここへ Web2C-7.5.2 専用の簡易インストーラ texinst752.zip を展開します:
c: (c: ドライブに移動) md \usr (c:\usr というフォルダを作成) md \usr\local (c:\usr\local というフォルダを作成) cd \usr\local (c:\usr\local に移動) unzipc:/temp/texinst752.zip (インストールプログラムを展開)
展開された texinst752.exe は W32TeX (Web2C 7.5.2) 専用の簡易
インストーラ です。 また、同梱の texinst752.txt は簡易インストーラ
の説明書となっています。
unzip コマンドが使えない場合は、実行ファイル unzip.exe を取得します(c:\usr\local に置いておき、以下の texinst752 による展開終了後は、c:\usr\local\bin にコピーしておくとよいでしょう)。
続いて、必要なアーカイブ・ファイルが c:\temp にある時には MS-DOS プロンプト (Win95/98)、あるいは コマンドプロンプト (WinNT/2000/XP) のコマンドモードで
c: (c: ドライブに移動) cd \usr\local (c:\usr\local に移動) texinst752c:/temp (TeXのシステムのインストール)
と入力するだけでアーカイブ・ファイル (foo.tar.gz など) の展開が
始まります。
なお、\usr\local にある gzip.exe, bzip2.exe および tar.exe は圧縮やアー カイーブのためのプログラムです。 dviout for Windows は gzip で圧縮された 画像ファイルや DVI ファイル、 あるいは *.tar, *.gz, *.tar.gz 形式のファイル を扱うことができますが、圧縮ファイルを扱うときには gzip を用います。 必要 ならこれらをパスの通ったディレクトリ(たとえば、c:\usr\local\bin)にコピーしておきます。
すでに、以前のバージョンの Ghostscript および GSview を インストールしている場合には、必ず次のアンインストールを行ったあとで、 インストール作業を開始してください :
この後に、Ghostscript 8.00 + GSview 4.3 を
インストールしてください。 ウィザード形式( 英語 )
での Setup プログラムにより、インストーラの指示に
従いながらオリジナルの Ghostscript と GSview の
インストールを行っていき ます :
はじめに、Ghostscript 8.00 のインストールです。 gs800w32.exe の
存在するディレクトリに移って
gs800w32.exe
を実行します。 続いて、GSview 4.3 をインストールします。 gsv43w32.exe の存在するディレクトリに移って
gsv43w32.exe
を実行します。
Windowsのテンポラリ・ディレクトリに空白や和文文字が含まれていると、 GhostscriptやGSViewのインストールに失敗することがあります。テンポラリ・ディレクトリはデフォルトの c:\gs にインストールしたとして、さらに日本語化キット の gs800-j-wapi.zip をインストールします :echo %temp% (環境変数 temp で示されるテンポラリ・ディレクトリ名の表示) echo %tmp% (環境変数 tmp で示されるテンポラリ・ディレクトリ名の表示)とすると、たとえば以下のように表示されます(以下の例では c:\windows\temp)。>echo %temp% c:\windows\temp >echo %tmp% c:\windows\tempテンポラリ・ディレクトリに問題がある場合は、一時的に以下のようにそれを変更してGhostscriptやGSViewのインストールをやり直します。たとえば、c:\temp というディレクトリが存在する場合は、以下のようにします。set temp=c:\temp set tmp=c:\temp
c: (c: ドライブに移動) cd c:\gs (c:\gs に移動) unzip -o%1\gs800-j-wapi.zip (日本語化キットのインストール)
ここで、%1 は、gs800-j-wapi.zip の存在するディレクトリ(c:\temp など)に置き換えて、具体的に(c:\temp\gs800-j-wapi.zip などと)書きます。
unzip が認識されない場合、c:\usr\local にそれが存在していたらc:\usr\local\unzip -o%1\gs800-j-wapi.zip とします。
詳しくは、
堀田氏の Ghostscript 7.04 + GSview 4.3 の日本語版 -- PostScript フォント の利用 をご覧ください。日本語 PDF
gs8.00 では、CID フォントを用意すれば、日本語 PDF を表示、印刷可能であり、 また Ghostscript に付属のバッチファイル ps2pdf を利用すれば、 CID フォントを埋め込んだ日本語 PDF を作成することができます。 CID フォントを使用しない場合には、日本語は type3 フォントになります。 ソース PostScript の種類により、ビットマップ type3 になったり、 アウトライン type3 になったりします。 Free の CID フォントとして、 和田研フォントの他、現在では東風明朝、東風ゴシックも入手可能になっています ので、手に入れておくと良いでしょう。のようにして、dvipsk で変換した PS ファイルの foo.ps に対して、 『 MS-DOS プロンプト 』 から次のように入力してください :dvipsk -Ppdf -o foo.ps foo.dvips2pdf foo.ps foo.pdfもし、『 環境変数のための領域が足りません 』 と表示された時には システムファイルの config.sys に
SHELL=c:\command.com c:\ /P /E:2048のように書いて再起動してください。 2048 バイトが環境変数用となりますが、 足りない場合は 4096 とかに増加します。( ps2pdf.bat 内で環境変数を定義して います。)
また、コマンドの ps2pdf を実行したときに次のようなエラー・メッセージが 表示されて、pdf ファイルが作成されないことがあります :use ps2pdf12 or ps2pdf13 if you want a specific level.このような時には、代用のコマンドである ps2pdf12 または ps2pdf13 を利用 してください。 ps2pdf14 も可能です。
Adobe Acrobat Distiller が利用できる環境にあれば、dvipsk で変換した PS ファイルから Distiller で簡単に日本語 PDF を作成することもできます。
次に、c:\autoexec.bat の最後に以下のような環境変数の設定を加えます。
path=%path%;c:\usr\local\bin;c:\gs\gs8.00\bin;c:\gs\gs8.00\lib set TEXMFMAIN=c:/usr/local/share/texmf set GS_LIB=c:\gs\gs8.00\lib;c:\gs\gs8.00\kanji;c:\gs\fonts set TEXMFCNF=c:/usr/local/share/texmf/web2c (GuiShell を使う場合) set TEXEDIT=c:/usr/local/bin/mule +%%d %%s (mule を使う場合) set MFEDIT=c:/usr/local/bin/mule +%%d %%s (mule を使う場合)
dvipsk を使う場合は、その設定ファイル c:\usr\local\share\texmf\dvips\config\config.ps を環境に合わせて修正します。 * や % で始まる行はコメントです。
autoexec.bat に設定した環境変数が有効になるよう、
Windows を再起動します。
以下の TeX が使えるようになります。
tex 欧文 TeX 3.141592 latex 欧文 LaTeX2e (2001/06/01 patch level 0) ptex アスキー pTeX (p3.1.2) amstex アスキー plain AMS-TeX 2.1 platex アスキー pLaTeX2e (2001/09/04 +0) jtex NTT JTeX 1.9.1 jlatex NTT JLaTeX based on JTeX 1.9.1
左側は、コマンド名で、たとえばコマンドラインから
platex foo
とすれば、日本語の LaTeX のテキストファイル foo.tex が アスキーの pLaTeX に より foo.dvi に変換されます。
以下の旧版の TeX もサポートされます。
latex209 欧文 LaTeX 2.09 (1992/03/25) ptexold 日本語 plain pTeX 2.09 platex209 アスキー & Impress 日本語LaTeX(縦書対応)2.09 (1993/12/24) qlatex209 日本語 LaTeX 2.09 (J Version) alatex209 日本語対応 AMS-LaTeX based on LaTeX 2.09 jlatex209 NTT JLaTeX based on JTeX 1.9.1 and LaTeX 2.09
その他、以下のプログラムがインストールされます。
mftools メタフォント関係ツール(mktexpk, mktextfm, ps2pk etc.) dvipsk DVI -> PS 変換 dvipdfm(x) DVI -> PDF 変換 pdftex TeX -> PDF 変換(日本語非対応) pdflatex LaTeX -> PDF 変換(日本語非対応) makeindex makeindex(日本語対応、読みに関する辞書が使用可能) plain2 テキストファイル -> LaTeX, HTML, troff 変換 texinfo Texinfo 4.0 (makeinfo, texindex etc.) Ghostscript Ver.8.00 (gswin32) GSview Ver.4.3 (gsview32)
ディレクトリ c:\usr\local\share\texmf\doc\ptex に存在する 日本語の LaTeX のソースファイルから platex により DVI ファイルが 正常に生成できることを確かめます。 たとえば
cd c:\usr\local\share\texmf\doc\ptex\base c: platex ptexskip platex ptexdoc
などとします。
より簡単に、より詳しいテストを ここ から行うことができ、問題が生じたときの原因究明に役立ちます。c:\gs\gs8.00\examples\tiger.eps や c:\gs\gs8.00\kanji\article9.ps などのサンプルが gswin32 を使って表示できることを確認して下さい :
gswin32 c:\gs\gs8.00\examples\tiger.ps gswin32 c:\gs\gs8.00\kanji\article9.ps
うまく行かない時は (Ghostscript からは、quit で抜け出せます) gswin32c.exe を -h オプションをつけて立ち上げ、 "Search path:" の欄に環境変数 GS_LIB の内容が反映されているかを確認して下さい。
T1FONTS = .;$TEXMFMAIN/fonts/type1//;c:/acrobat4/reader/fonts//
dvipsk -Pbi foo
または
dvipsk -Pdl foo
とします。 これにより foo.dvi から foo.ps が作成されます。
前者は平均的な PostScript プリンタ搭載のフォントは埋め込まず、その他 のフォントは埋め込みます。 後者は殆ど全てのフォントを埋め込むとき (dl = down load)の指定です。 この後、Adobe Acrobat Distiller により PS ファイルを PDFファイルに変換することが出来ます。
dvipsk -Ppdf foo
とすると、Adobe Base 14 フォントは埋め込まず、他のフォントは 殆ど埋め込みます。PDFファイルを作成するときは、このオプションが 最も適しています。 またPDFファイルを作成するときは、 -D8000 のようにして、DPI を大きくしておくと 良いでしょう。
PostScript プリンタが標準でサポートしている欧文フォントを そのまま利用し、 CM (Computer Modern) などは埋め込む場合は -Pbi オプション、殆ど全てのフォントを PostScript ファイルに埋め込みたい場合には -Pdl オプション、 PDFファイル作成のときは -D8000 -Ppdf オプションが適当でしょう。
なお、type1 フォントがなくてビットマップ形式でフォントを埋め込むと、 表示や印刷での解像度やサイズの変更により、文字が汚くなります (Ghostscript 経由や Acrobat PDFWriter で PDF を作成した場合)。
修正するには、こことその後のここを参照して newfmt.lzh をダウンロードし、置き換えを行ってください。なお、表示や印刷に関しては従来のものと互換性があります。よって、不都合が修正された環境で作成されたDVIファイルを利用するにあたっては、修正を行った利用環境かどうかによらず、修正された結果が正しく得られます。
\documentclass[mingoth]{jsarticle}のように [mingoth] オプションを使った場合に、この不具合の修正がなされます。
dviout for Windows のインストールについては、
ここを御覧下さい。
以上です。