西山陽一(統計数理研究所)
 
拡散過程の適合度検定
 
1次元の独立同一分布に従う確率変数列に対してコルモゴロフ-スミルノフ検定統計量を考えたとき、漸近的に標準ブラウン橋のsupに分布収束することはよく知られている。ところが、同様のことをエルゴード的拡散過程の不変分布に対して行っても、漸近的に分布不変にはならないことが知られている。そこで、ドリフト項の適合度検定のためにスコア-マーク経験過程を導入し、漸近的に分布不変な統計量を構成する。